ケメロヴォ州

ケメロヴォ州の概要

ケメロヴォ州（Кемеровская область）は、ロシア連邦の州の一つで、シベリア連邦管区に所在します。この地域は、北部に位置する州都ケメロヴォと南部のノヴォクズネツクの2大都市が特徴であり、歴史的にも重要な地域となっています。ノヴォクズネツクは1618年に設立され、シベリア探検の先駆者イェルマークによって設立された入植地の一つでもあります。1961年までは「クズネツク」と呼ばれていました。

歴史的背景

ケメロヴォ州は1943年に設立されました。また、第二次世界大戦後には日本人捕虜のシベリア抑留が行われ、ケメロヴォやノヴォクズネツクなどに収容地区が設けられました。これにより、この地域には過去の歴史が深く根付いています。

地理的な位置

ケメロヴォ州はシベリアの西南部に位置し、北はトムスク州、東はクラスノヤルスク地方やハカス共和国、南はアルタイ地方、西はノヴォシビルスク州やアルタイ共和国と接しています。州内には20の都市があり、19の地区に分かれています。シベリア鉄道が通っているため、交通の便も良い地域です。

産業と経済

この州は石炭産業が盛んであり、多数の炭鉱が存在しています。プロコピエフスク、メジュドゥレチェンスク、ケメロヴォ、ノヴォクズネツク、オシンニキなどがその中心となっています。しかし、これらの炭鉱では安全性が問題視されることもあり、過去には多くの事故も発生しています。たとえば、リストヴァシュナヤ炭鉱では2004年に13人、2021年には52人が死亡する災害が発生しました。また、ウリヤノフスカヤ炭鉱でも2007年に81人以上が犠牲となる事故が起きています。さらに、州内では自動車製造や化学工業も盛況で、多様な産業が展開されています。

住民の構成

ケメロヴォ州の住民の大部分は都市部に住んでおり、ロシア人の他にもショル人、タタール人、ウクライナ人、チュヴァシ人、さらにはドイツ系のヴォルガ・ドイツ人など、多種多様な民族が共存しています。このため、シベリア地域の中でも比較的高い人口密度を持つコミュニティが形成されています。

標準時と時間帯

ケメロヴォ州はクラスノヤルスク時間帯を使用しており、UTC+7時間の時差があります。かつてはオムスク時間を採用していましたが、2011年以降は夏時間が廃止され、現在は年間を通じてUTC+7が適用されています。

出身の著名人

この地域からは、いくつかの著名人が誕生しています。プロボクサーの勇利アルバチャコフ（タシュタゴール出身）、政治家のヴィクトル・イシャエフ（セルゲーエフカ出身）、KGBの議長ワジム・バカーチン、宇宙飛行士のアレクセイ・レオーノフ（人類初の宇宙遊泳を成功させたことでも知られています）、さらにはサッカー選手のアレクサンドル・ゴロビンなど、多才な人物がこの地域から輩出されています。

ケメロヴォ州は、歴史や文化が深く、産業が発展した興味深い地域であり、多様性に富んだ住民たちが生活しています。

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