ケリー・ホームズ

ケリー・ホームズ（Dame Kelly Holmes）は、1970年4月19日生まれのイギリスの元陸上競技選手で、特に中距離種目で輝かしい実績を残しました。彼女の名前が世界に知れ渡ったのは、2004年アテネオリンピックでの活躍です。女子800mと1500mの両種目で見事金メダルを獲得し、陸上競技史にその名を刻みました。

オリンピック史上、800mと1500mの両方を制覇した女性アスリートは少なく、ホームズは1976年モントリオール大会のタチアナ・カザンキナ、1996年アトランタ大会のスベトラーナ・マステルコワに次ぐ、史上3人目の快挙達成者となりました。さらに、イギリス人女性としては初めて、1つのオリンピック大会で2つの金メダルを獲得した選手となり、イギリス国内でも大きな話題となりました。男子選手を含めても、1920年アントワープ大会のアルバート・ヒル以来となる、イギリス陸上界にとって歴史的な瞬間でした。

ホームズは2005年に現役を引退しましたが、引退後もその影響力は衰えることなく、スポーツ界への貢献を続けています。しかし、2012年にデイリーメール紙で、アテネオリンピック出場前に精神的に追い詰められ、自傷行為を繰り返していたこと、そして自殺願望まで抱いていたことを告白し、大きな反響を呼びました。華やかな活躍の裏で、想像を絶する苦悩を抱えていた彼女の告白は、多くの人々に衝撃を与え、アスリートのメンタルヘルス問題に改めて光を当てるきっかけとなりました。

彼女の自己ベストは、800mが1分56秒21（1995年）、1500mが3分57秒90（2004年）です。これらの記録からも、彼女が世界トップレベルの選手であったことがわかります。

現在も彼女は、自身の経験を活かし、講演活動やチャリティ活動を通じて、人々のメンタルヘルス支援やスポーツ振興に尽力しています。ケリー・ホームズは、単なるオリンピックチャンピオンではなく、苦難を乗り越え、人々に勇気を与える存在として、多くの人々に尊敬されています。

ケリー・ホームズ - ワールドアスレティックスのプロフィール（英語）
ケリー・ホームズ - Olympedia（英語）

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