ケリー・ローランド

ケリー・ローランド（Kelly Rowland）は、1981年2月11日生まれのアメリカ合衆国のアーティストです。彼女は歌手、女優、ダンサー、モデルとして多岐にわたり活躍しています。

特に、1990年代後半から2000年代初頭にかけて絶大な人気を誇ったガールズグループ、デスティニーズ・チャイルドの主要メンバーとして、世界的な名声を得ました。

グループ活動と並行し、2002年からはソロでの音楽活動を開始。その中でも特に注目されたのが、ラッパーのネリーとのコラボレーションによるシングル「ジレンマ」です。この楽曲は全米シングルチャートで10週連続1位を記録する驚異的な大ヒットとなり、世界各国のチャートでも首位を獲得しました。

この成功を受けてリリースされた2003年のソロデビューアルバム『シンプリー・ディープ』は、Billboard 200で最高15位にランクインし、アメリカ国内でゴールド認定を受けました。イギリスのアルバムチャートでは見事1位を獲得し、プラチナ認定されるなど、ヨーロッパでも成功を収めました。また、アルバムからのシングル「ストール」は全英シングルチャートで最高2位を記録しています。このデビューアルバムは全世界で250万枚のセールスを記録しました。

デスティニーズ・チャイルドが2005年に解散した後、2007年にはセカンドアルバム『ミス・ケリー』を発表しました。当初、デビュー作ほどの勢いはありませんでしたが、「ゲットー」や「ワーク」といったシングルがヨーロッパ諸国で好評を博しました。さらに、2008年にリリースしたボビー・ウーマックのカバー曲「デイライト」がクラブヒットとなったことで再評価が進み、新装盤のリリースも相まって、最終的に全世界で120万枚を売り上げる成功となりました。

2009年頃からは、特にヨーロッパのダンスミュージック市場に深く関わるようになります。イタリアでのヒット曲「プリーズ・ジェントル」を皮切りに、同年にはフランスの著名なDJ、デヴィッド・ゲッタの楽曲「ラヴ・テイクス・オーヴァー」にボーカリストとして参加しました。このコラボレーションはヨーロッパを中心に世界中で記録的な大ヒットとなり、ケリー・ローランドは「エレクトロ・ハウスの新ディーヴァ」として新たなイメージを確立しました。

この流れを受け、2010年代に入ると、エレクトロ・ダンス系の「コマンダー」や、彼女のルーツであるR&Bサウンドの「モチベーション」など、多様な楽曲を発表。これらを収録したサードアルバム『ヒア・アイ・アム』は2011年に発売されました。さらに、2013年にはアルバム『Talk a Good Game』をリリース。「Kisses Down Low」や「Dirty Laundry」といったシングルがヒットしています。

これまでのソロキャリアにおいて、ケリー・ローランドは全英シングルチャートで11曲をトップ20に送り込み、そのうち7曲がトップ10入り、そして2曲が首位を獲得しています。全世界でのソロでの累計セールスは、アルバムが400万枚以上、シングルが1700万ユニット以上に達しています。

音楽活動以外では、女優としても活動しており、映画『フレディVSジェイソン』などに出演しています。

私生活では、2014年5月にタレントマネージャーのティム・ウェザースプーンと結婚。2014年11月と2021年にそれぞれ男児を出産し、二児の母でもあります。

スタジオ・アルバム

『シンプリー・ディープ』 (Simply Deep) (2002年)
『ミス・ケリー』 (Ms. Kelly) (2007年)
『ヒア・アイ・アム』 (Here I Am) (2011年)
Talk a Good Game (2013年)

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