ケルヴィン・ヴァン・デル・リンデ

ケルヴィン・ヴァン・デル・リンデ：レーシングドライバー一家に生まれた才能

ケルヴィン・ヴァン・デル・リンデ(1996年6月20日生まれ)は、南アフリカのヨハネスブルグ出身のレーシングドライバーです。彼の家族は、南アフリカのモータースポーツ界において非常に有名な一族として知られています。父は1994年の南アフリカツーリングカー選手権チャンピオン、ショウン・ヴァン・デル・リンデ。祖父は1970～80年代に同選手権で5度のタイトルを獲得したヘニー・ヴァン・デル・リンデ。弟のシェルドン・ヴァン・デル・リンデもBMWのファクトリードライバーとしてDTM(ドイツツーリングカー選手権)に参戦しています。叔父のエティエンヌ・ヴァン・デル・リンデも1990年代にレーシングドライバーとして活躍していました。まさに、レーシングドライバー一家と言えるでしょう。

華々しいキャリアの始まり

8歳でカートを始め、幼少期から才能を発揮したケルヴィン。2010年までに、南アフリカカート選手権で幾度もチャンピオンの座に輝きました。2011年に四輪レースへ転向し、翌年にはフォルクスワーゲン・カップ・南アフリカで、歴代最年少となる16歳128日でタイトルを獲得。この驚異的な若さで才能を証明しました。

その後、2013年にはヨーロッパへ渡り、ドイツを主な舞台とするフォルクスワーゲン・シロッコR-カップに参戦。9戦中5勝という圧倒的な強さで、再び最年少記録でタイトルを獲得。この活躍が認められ、フォルクスワーゲンからジュニアドライバーとしてサポートを受けることになります。

GTマスターズでの成功

2014年にはADAC GTマスターズに参戦。プロスペリアC.アプト・レーシングからレネ・ラストと組んで、開幕戦でポールポジションと優勝を獲得。シーズンを通して安定した成績を残し、強豪ドライバーたちを抑えて見事シリーズチャンピオンに輝きました。

アウディ時代と国際舞台での活躍

2015年からはアウディスポーツ・カスタマーレーシングのファクトリードライバーとして活躍。GTマスターズでは、新たなチームメイトとタイトル防衛に挑戦しましたが、惜しくも14位でシーズンを終えます。しかし、2017年にはニュルブルクリンク24時間レースで、チームメイトと共に初優勝を飾る快挙を達成。終盤の天候変化に対応した戦略が功を奏し、劇的な逆転勝利となりました。

2018年には弟のシェルドンとGTマスターズに参戦。終盤で2勝を挙げ、タイトル争いを展開しましたが、惜しくも1ポイント差でタイトルを逃しました。同年ブランパン・スプリントシリーズでは3位に入賞。2019年にはGTマスターズで再びタイトルを獲得。そして、[インターコンチネンタルGTチャレンジ]の鈴鹿10時間耐久レースでは優勝を飾りました。さらに、フォーミュラEのルーキーテストにも参加するなど、幅広く活躍の場を広げています。

DTMへの参戦と今後の展望

2021年には、GT3規格を採用したドイツツーリングカー選手権(DTM)にアプト・スポーツラインから参戦。弟のシェルドンと共に兄弟でDTMを戦うこととなりました。そして、開幕戦モンツァのレース2でポール・トゥ・ウィンを達成し、DTM初優勝を飾るなど、活躍を続けています。

ケルヴィン・ヴァン・デル・リンデは、その類まれな才能と、レーシング一家で培われた経験、そしてアグレッシブな走りで、世界のモータースポーツ界を舞台に活躍を続ける、まさに将来が期待されるドライバーと言えるでしょう。今後の活躍から目が離せません。

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