アウディスポーツ

アウディスポーツ

アウディスポーツは、ドイツの自動車メーカーアウディのモータースポーツ部門として、1978年に設立されました。設立当初はラリー競技に焦点を当て、その後サーキットレースへと活動の幅を広げてきました。アウディは特に、技術革新を追求する姿勢で知られており、その成果は数々のタイトル獲得に結びついています。

ラリー競技の先駆者。

アウディスポーツは1978年にドイツラリー選手権で始動し、1981年からは世界ラリー選手権（WRC）にもグループ4規定の四輪駆動車、クワトロで参戦を開始しました。この四輪駆動技術は、当時のラリー界では新しい試みであり、後輪駆動が主流だった欧州のレース界に新風を吹き込みました。クワトロは、1982年と1984年にマニファクチャラーズタイトルを獲得し、通算23勝を挙げるなど、その功績は輝かしいものです。特に女性ドライバーのミシェル・ムートンとファブリィツァ・ポンスのコンビがランキング2位に入ったことは、女性の活躍を印象付けるものでした。

その後、アウディは1980年代初頭のグループB時代にも成功を収め、四輪駆動の優位性を他のメーカーに知らしめました。最近では、ダカールラリーや世界ラリーレイド選手権でも活躍を見せており、2024年のダカールラリーではカルロス・サインツが総合優勝を果たし、アウディにとって記念すべき勝利となりました。

GTおよびツーリングカー活動

アウディはグループBの廃止後も、IMSA GTOやDTMなどのレースで多くの成果を上げてきました。DTMではBMWやメルセデス相手に競り勝ち、複数のタイトルを獲得。その後もワークスチームとして参戦し続け、2023年には新たにGT3マシンの開発に注力しています。オートスポーツ界では、現在も変わらずの存在感を示し、プライベーター向けのマシン供給も行っています。

しかし、わずかに変動する競技ルールや、リソースのシフトにより2023年末にはGT3活動から撤退が決定されました。ある意味で、アウディのモータースポーツの歴史は変革の連続ともいえます。

プロトタイプスポーツカー

スーパーツーリングからの移行として、1999年からプロトタイプカーの開発を開始し、特にル・マン24時間レースでの成果は著名です。1999年には初めての出場で3位入賞を果たし、その後R8モデルで多くの優勝を重ねました。特に、2000年と2001年の連覇が注目され、以降も合計で13回の優勝を達成して「ル・マンの鉄人メーカー」と称えられる存在に。その後も、FIA 世界耐久選手権（WEC）への参戦を通じて、多くの史上初の記録を樹立しています。

フォーミュラEおよびF1への進出

アウディはフォーミュラEにも2014-15年から関与し、2016-17年にはドライバーズチャンピオンを獲得しました。しかし、2020年にシリーズからの撤退を発表します。さらに、2022年にはF1参戦の意思を表明し、2026年からザウバーと共にパワーユニットを供給する計画を発表しました。これにより、アウディはF1参戦に向けた新たなステージに臨むこととなります。

このように、アウディスポーツは多様なレースカテゴリで活躍しつつ、その技術革新と成果でモータースポーツの歴史に名を刻んでいます。

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