ケン・グリフィー・シニア

ジョージ・ケネス・グリフィー・シニア、通称ケン・グリフィー・シニアは、1950年4月10日生まれのアメリカ合衆国ペンシルベニア州ドノラ出身の元プロ野球選手です。ポジションは外野手、一塁手で、左投左打でした。

グリフィー・シニアは、1970年代にシンシナティ・レッズの黄金時代「ビッグレッドマシン」の一員として活躍しました。1976年には打率.336を記録し、首位打者争いではビル・マドロックにわずか2厘差で2位となりました。オールスターにも3回選出（1976年、1977年、1980年）されています。

特筆すべきは、息子であるケン・グリフィー・ジュニアとの関係です。ジュニアはメジャーリーグ歴代6位となる630本塁打を記録し、2016年にはアメリカ野球殿堂入りを果たした大スターです。シニアが19歳の時にジュニアが誕生しており、その事が後にMLB史上初の「親子同時プレー」へと繋がりました。

1990年終盤、グリフィー・シニアはシアトル・マリナーズに移籍します。当時、マリナーズには息子のジュニアも所属していました。1990年8月31日のロイヤルズ戦で、2番・左翼手としてシニア、3番・中堅手としてジュニアが先発出場し、史上初の親子同時スタメンが実現しました。この試合では、シニアがセンター前ヒットを放ち、続くジュニアもセンター前ヒットで続き、4番打者の二塁打で親子揃ってホームインするという劇的な展開を見せました。

さらに、同年9月14日のエンゼルス戦では、初回にシニアがセンター越えの2点本塁打を放つと、続くジュニアもレフトスタンドへ本塁打を叩き込み、史上初の親子による2者連続本塁打という偉業を達成しました。マリナーズ移籍前は不振だったシニアですが、ジュニアとのプレーが大きな刺激となり、移籍後は打率.377と目覚ましい活躍を見せました。

若い頃のジュニアにとって、ビッグレッドマシンのスター選手であった父シニアの存在は大きなプレッシャーでした。しかし、共にプレーした経験はジュニアに大きな自信を与え、後に父を超える大選手へと成長する原動力となりました。グリフィー・シニアとジュニアの親子は、メジャーリーグの歴史において、最も有名な親子選手の一組として語り継がれています。

獲得タイトル・記録

MLBオールスターゲーム選出　3回：1976年、1977年、1980年
オールスターMVP：1980年

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