ケン・コーポレーション

株式会社ケン・コーポレーション（Ken Corporation Ltd.）は、東京都港区に本社を構える総合不動産会社です。通称はKENとして知られています。

同社は、月額30万円以上の賃貸物件や1億円を超える高額物件を主力に取り扱い、富裕層向けの不動産サービスに特化しています。特に、外国人向けの高級賃貸仲介業務においては、日本国内で先駆者的な役割を果たしてきました。不動産賃貸仲介、売買、管理、開発など多岐にわたる事業を展開しています。

沿革

ケン・コーポレーションは、1972年8月に田中健介氏によって創業されました。創業以来、田中氏は社長として経営を牽引してきましたが、2013年9月に代表取締役会長に就任し、後任として副社長であった佐藤繁氏が代表取締役社長に就任しました。しかし、同年12月25日に田中健介氏は逝去されました。

その後、2022年3月には、社長であった佐藤繁氏が代表取締役会長となり、副社長であった中川堅悟氏が代表取締役社長に就任しました。この人事により、新たな経営体制がスタートしました。

関連会社

ケン・コーポレーションは、以下の関連会社を通じて多角的な事業展開を行っています。

ケン不動産リース
アール・エー・アセット・マネジメント
ケン不動産投資顧問
ケン賃貸保証サービス
ケイエヌプロパティー
ケン・ヒューマンサービス
禅
シブヤテレビジョン
ケンメディア（旧：グルーヴコーポレーション→ケングルーヴ）
プレミア・ビューティ・アンド・スパ
* 株式会社Kアリーナマネジメント

かつては、プレミア投資法人のメインスポンサーであり、プレミア・リート・アドバイザーズの筆頭株主でもありましたが、現在はNTT都市開発とケネディクスに株式を譲渡しています。

保有物件の保存に関する議論

2014年5月、ケン・コーポレーションが2013年に取得した旧「日東倉庫日本大通倉庫」（旧「三井物産横浜支店倉庫」、1910年竣工）と旧「三井物産横浜ビル」のうち、前者の解体意向が横浜市に伝えられました。これに対し、これらの建物群が持つ文化的価値を重視する立場から、解体に反対する声が上がりました。

これらの建物は、いずれも建築家遠藤於菟の設計によるもので、特に倉庫は鉄筋コンクリート造、煉瓦造、木造を組み合わせたものであり、その後のビルは全面的に鉄筋コンクリート造を採用しました。これらは、日本における鉄筋コンクリート造の成立過程を示すだけでなく、世界的に見ても初期の事例として重要です。日本建築学会は2014年7月に横浜市とケン・コーポレーションに対して保存要望書を提出し、市教委も文化財指定を望んでいました。しかし、会社の解体方針は変わらず、同年11月から翌年にかけて解体されました。

Kアリーナプロジェクト

ケン・コーポレーションは、横浜市西区みなとみらい地区において、大規模複合施設「ミュージックテラス」を開発しました。このプロジェクトの中心となるのは、2万人を収容可能な音楽アリーナ「K[[アリーナ横浜]]」です。さらに、インターナショナルブランドホテル「ヒルトン横浜」とオフィスビル「Kタワー横浜」が併設されています。

この複合開発は2020年8月に着工し、2023年7月に竣工、同年9月29日に開業しました。また、ケン・コーポレーションは隣接地にオフィスビル、ホテル、ミュージアム、専門学校などを含む「リンケージテラス」を計画しており、周辺地域全体の活性化を目指しています。

まとめ

ケン・コーポレーションは、高級不動産市場におけるリーディングカンパニーであり、その事業は不動産仲介にとどまらず、開発や関連事業にも広がっています。過去には歴史的建造物の保存問題にも関わりましたが、現在では大規模複合開発プロジェクトを通じて地域経済に貢献しています。今後の展開にも注目が集まります。

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