ケーピーソス

ケーピーソスの神話

ケーピーソス（古希: Κηφισός）は、ギリシア神話に登場する各地の河神として知られています。長音を省略してケピソスとも呼ばれ、彼は特にボイオーティア、アルゴリス、アッティカの河を治めていました。それぞれの地域における彼の神格や子孫について詳しく見ていきましょう。

ボイオーティアのケーピーソス

ボイオーティア地方とポーキス地方を流れるケーピーソス川の神であるこのケーピーソスには、数名の子供がいます。彼の子供たちには、エテオクレース、ナルキッソス、娘たちであるテュイアー、ダウリス、メライナ、リライアがいます。特にエテオクレースは、オルコメノスの始祖であるアンドレウスとエウイッペーの子供とされ、ケーピーソスの正当の子孫と考えられています。

詩人たちはエテオクレースをケーピーソスにちなんで「ケーピーシアデス」と呼ぶこともありました。エテオクレースは王位を継承し、統治する土地に父の名アンドレウスとケーピーソスの名を与えました。また、オウィディウスの『変身物語』では、ナルキッソスがケーピーソスと水の女神レイリオペーとの間に生まれたことが語られています。

ケーピーソスはまた、デルポイのカスタリアの泉に水を供給したとされます。リライアに位置する池とカスタリアの泉は密接に結びついており、ここで供物を捧げるとカスタリアの泉から水が浮かび上がるという神秘的な伝説があります。娘のリライアやテュイアーはそれぞれの地域に名を刻むこととなり、テュイアーの場所はペルシア戦争の折に神託を受けて、風を祀る祭壇が設けられました。

アルゴリスのケーピーソス

次に、アルゴリス地方のケーピーソス川を治めるケーピーソスについてです。彼は、当地の覇権を巡るヘーラーとポセイドーンの争いの審判を務め、最終的にアルゴスをヘーラーに帰属させる業績を持っています。しかし、ポセイドーンの怒りにより、ケーピーソスは干上がる運命に苛まれ、雨が降らない限り水が流れなくなってしまいました。それにもかかわらず、エレクシーウスの神域近くには未だ地下の水流が透けて見える場所があったとされます。

アッティカのケーピーソス

最後に、アッティカ地方を流れるケーピーソス川の神についてですが、この河神には娘ディオゲネイアがいます。彼女はプラシモスと結婚し、プラークシテアーを産むことになります。プラークシテアーは、アテーナイの王エレクテウスと結婚し、ケクロプスやパンドーロス、その他の神々を生み出す母となります。

参考文献

このように、ケーピーソスはギリシア神話において重要な位置を占める河神であり、彼にまつわる物語は地域や子孫との関連性を結びつけて語られています。 彼に関する詳細な情報は、アポロドーロスやオウィディウスの著作をはじめとする様々な文献に見ることができます。

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