ケープカナベラル宇宙軍施設第37発射施設

ケープカナベラル宇宙軍施設第37発射施設 (SLC-37)

ケープカナベラル宇宙軍施設第37発射施設（Cape Canaveral Space Force Station Space Launch Complex 37, SLC-37）は、アメリカ合衆国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍施設内にある、重要なロケット打ち上げ複合施設です。かつてはLaunch Complex 37、略称LC-37としても知られていました。この施設は、アメリカの宇宙開発史において、初期のアポロ計画から現代の大型ロケット運用に至るまで、様々な時代に重要な役割を担ってきました。

施設の建設工事は1959年に始まりました。計画当初の主な目的は、後の月探査計画につながるサターンIロケットの開発および試験打ち上げを支援することでした。この目的のもと、1963年にはアメリカ航空宇宙局（NASA）によって正式に発射施設としての運用が承認されました。

SLC-37は、当初LC-37AとLC-37Bという二つの発射台を備える構成として設計されました。しかし、実際の運用において使用されたのはLC-37B発射台のみでした。LC-37Aは完成しましたが、最終的には一度もロケットの打ち上げに使用されることなく終わりました。LC-37Bは、1960年代中盤から後半にかけて、特にアポロ計画初期の無人試験飛行において活用されました。具体的には、1964年から1965年にかけてサターンIBロケットの打ち上げに、そして1966年から1968年にかけてサターンIロケットの打ち上げに使用されました。

この発射施設からの記念すべき最初のロケット打ち上げは、1964年1月29日に行われました。これはサターンIロケットによるアポロSA-5ミッションで、無人での試験飛行でした。この成功は、サターンロケットの開発と、それに続くアポロ計画の推進にとって重要な節目となりました。LC-37Bからは、その後も数回にわたりサターンIおよびIBロケットが打ち上げられ、アポロ計画に必要な技術や手順の確立に貢献しました。

サターンロケットの運用が終了した後、SLC-37はその役割を終え、1972年に一時的に閉鎖されました。長らく休止状態が続きましたが、21世紀に入り、新たな大型ロケットのための射場として再び注目されることになります。2001年、アトラスおよびデルタロケットの運用を担うユナイテッド・ローンチ・アライアンス（ULA）が、この施設をデルタIVロケットの打ち上げに適合させるための大規模な改修工事を開始しました。

改修工事が完了し、デルタIVロケットの運用準備が整った後、SLC-37からの最初の打ち上げは2002年11月20日に実施されました。これは、デルタIVロケット自体の初めての飛行でもありました。この成功により、SLC-37は新たな世代の大型ロケット打ち上げを担う施設として再生しました。

現在、SLC-37はユナイテッド・ローンチ・アライアンスによって運用されており、主にアメリカ国家の安全保障に関する衛星や、科学探査機などを搭載したデルタIVロケットの打ち上げ拠点として機能しています。初期のアポロ計画を支えた歴史を持つこの施設は、改修を経て現代の宇宙活動においても重要な役割を果たし続けています。その存在は、過去と現在のアメリカの宇宙開発を結ぶ象徴と言えるでしょう。

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