ケープ・コースト

ケープ・コースト：歴史と文化が交差するガーナの港町

ケープ・コーストは、ガーナ共和国の中央州に位置する都市であり、その歴史は古く、17世紀に遡ります。首都アクラから西へ約165kmに位置し、ギニア湾に面した港湾都市として発展しました。2010年の国勢調査では、人口は約17万人を数えます。

歴史

ケープ・コーストは、1653年にスウェーデンによって建設され、奴隷や金の交易拠点として重要な役割を果たしました。その象徴とも言えるのが、世界遺産に登録されているケープ・コースト城です。この城砦は、1663年にデンマークによって占領された後、1664年にはイングランドの手に渡り、以後200年以上にわたって黄金海岸交易の拠点として機能しました。

1821年には、海岸部の英領の砦が統合され、英領ゴールド・コーストが成立すると、ケープ・コーストはその首都となり総督が置かれました。アシャンティ王国の使節や商人などが頻繁に訪れ、地方の中心地として繁栄しましたが、1877年に首都がアクラに移されると、その成長は鈍化しました。しかし、植民地時代を通じてケープ・コーストは重要な都市であり続け、1926年にはゴールド・コースト立法審議会の一部の議員を現地の人々から選挙で選ぶ際、アクラ、セコンディと並んで3議席が割り当てられました。

ケープ・コースト城

ケープ・コーストの歴史を語る上で欠かせないのが、ケープ・コースト城です。奴隷貿易の拠点として建設され、数多くの人々がこの地から連れ去られました。現在は、その歴史を伝える博物館として公開されており、負の遺産を未来に語り継ぐ場所となっています。

文化と食

ケープ・コーストには、ケープ・コースト大学があり、学園都市としての側面も持ち合わせています。また、この地域に住むファンティ人は、とうもろこし粉の加工品やチリソース、魚をよく食べることで知られています。特に魚を使った料理が豊富で、鮮魚と椰子油のシチュー「ファンテファンテ」やエチューなどが人気です。主食は、とうもろこし粉の蒸しパン「ケンケ」（kenkey）で、スープやシチュー、オクロシチューなどと一緒に食卓に並びます。料理には、地方固有の調味料であるシト（チリソース）が風味づけに使われます。

姉妹都市

ケープ・コーストは、全米国際姉妹都市協会の規定に基づき、いくつかの都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ケープ・コースト出身の人物

* ラシド・スマイラ - サッカー選手

ケープ・コーストは、歴史的な背景と豊かな文化を持つ魅力的な都市です。ガーナを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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