ゲゲゲの鬼太郎 (テレビアニメ第3シリーズ)

ゲゲゲの鬼太郎（第3シリーズ）

『ゲゲゲの鬼太郎』（第3シリーズ）は、1985年10月12日から1988年3月21日までフジテレビ系列で全115話が放送された、東映アニメーション制作のテレビアニメです。水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』を原作とする、妖怪アニメ作品のテレビシリーズとしては3作目に当たります。

概要

第3シリーズでは、「現代社会に生きる妖怪」と「人と妖怪の共存共栄」に重点が置かれています。妖怪が悪役として描かれるよりも、近代化によって住処を追われたり、人間やねずみ男に利用されて騒動を起こすケースが増え、勧善懲悪よりも人間との融和路線が特徴となっています。和解した妖怪が、後の戦いで鬼太郎に協力することも珍しくありません。

制作話数が多いため、第2シリーズと同様に他の水木作品を基にしたエピソードも存在しますが、大幅なアレンジが加えられているため雰囲気は異なります。今作から目玉おやじ役の田の中勇以外、レギュラー声優陣が一新され、以降のシリーズでもその流れが受け継がれています。ただし、後のシリーズでは再び起用されたキャストもいます。また、本シリーズより読売広告社が制作に参加しています。

前番組の終了を受けて、1985年10月12日に土曜18:30 - 19:00（JST）に放送が開始されました。

レギュラーキャラクターとして人間の少女・天童ユメコが追加され、鬼太郎のキャラクターもよりヒーロー的で人間味あふれるものとなっています。武器も「指鉄砲」や「リモコン手」といった生体的な描写の強いものは登場せず、代わりに万能アイテム「妖怪オカリナ」が登場しました（妖怪オカリナは第4シリーズにも引き継がれています）。鬼太郎ファミリーの完全確立や、宿敵としてのぬらりひょん一味の設定は、本シリーズで定番となりました。

また、本シリーズでは、チャンチャンコのカラーパターンが他のシリーズと異なっています。原作や他の映像化作品では肩部から順に【黒・黄・黒・黄・黒】の5層ですが、本作のみ【黄・黒・黄・黒・黄】と逆の配列になっています。この変更理由は現在まで明らかにされていません。

鬼太郎とねずみ男は全話に登場。目玉おやじはほとんど毎回登場しますが、第6話のみ未登場です。ねずみ男は本作では鬼太郎と並ぶもう一人の主人公として、鬼太郎と対になって物語に関わることが多くなりました。ネコ娘も引き続き登場しますが、メインヒロインとしての出番はユメコの方が多く、登場しない回もあります。第1・第2シリーズ同様に、ほとんどの事件は各話で解決し、宿敵ぬらりひょん一味が関わることもありますが、通常は無関係な単発の話が展開されます。原作の「大海獣」と「妖怪獣」のエピソードは、前後編として描かれました。

1988年2月6日からは、月曜19:00 - 19:30枠に移行し、『ゲゲゲの鬼太郎 地獄編』として放送されました。その後、『おそ松くん（第2作）』が放送されました。

融和路線により、アニメとしてのダイナミズムが薄いエピソードもありますが、旧来の勧善懲悪物語を挟む構成や、当時の東映動画スタッフによるダイナミックなアクション描写、コミカルなシーンの挿入、ベテラン声優の起用などにより、人気作となりました。また、妖怪登場時に名前がテロップ表示されるようになったのも本作からです。妖怪アニメとしては珍しく、恐竜が登場するエピソードも存在します。

歴代作品の中でも屈指の人気作となり、最高視聴率は29.6%を記録しました。原作者の水木しげるは、演出や脚本に疑問を感じる部分もあったものの、面白さを追求するよう制作陣に提案しています。

地獄編

第3シリーズの最終章として制作された「地獄編」は、全7回の連続物語形式で、鬼太郎たちが地獄に落ちたユメコを追って冒険する物語です。新キャラクター・地獄童子の登場や、ぬらりひょんとの決着が描かれています。

原作は『月刊少年マガジン』に連載されたミニシリーズ「鬼太郎地獄編」で、設定が一部変更されています。鬼太郎の母親が人間となり、鬼太郎も半妖怪とされています。また、「鬼太郎誕生のエピソード」が大幅にアレンジされて盛り込まれています。

「地獄編」は本編とは時間帯が異なり、フジテレビでは月曜19時から放送されました。アニマックスでは全話が再放送されています。

キャスト

鬼太郎 - 戸田恵子
目玉おやじ - 田の中勇
ねずみ男 - 富山敬
ネコ娘 - 三田ゆう子
天童ユメコ - 色川京子
ぬらりひょん - 青野武

主題歌

オープニングテーマ：「ゲゲゲの鬼太郎」吉幾三
エンディングテーマ：「おばけがイクゾー」吉幾三

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