オカリナの魅力と概要
オカリナ(Ocarina)は、エアリード式の
楽器であり、気を利用した鳴り方をするため、特に陶器やプラスチック製のものが多く見られます。一般に、リコーダーや
フルートなどと異なり、オカリナは共振系の特性が独特で、
音響学的にはヘルムホルツ
共鳴器に極めて近い特徴があります。特にこの
楽器は、発声の際に
唇の
振動を必要としないため、
木管[[楽器]]の分類に属することが多いのです。
名称の由来
「オカリナ」という名前は、
イタリア語の「oca」(
ガチョウ)と接尾語「-ina」(小さい)から成り立っており、直訳すると「小さな
ガチョウ」という意味になります。日本や
イタリアで一般的に見られる形は涙滴型ですが、丸形や角形といった多様なスタイルも存在します。また、指穴は6〜13個までと、実に様々なバリエーションが楽しめます。
特徴と演奏方法
オカリナは手に持って演奏され、
音高を調整するためには指穴を開閉する必要があります。このため、持ちやすさと音質向上、演奏の楽しさを追求するために、さまざまな形が生まれています。多くのオカリナは素焼きの陶器で作られ、制作も比較的簡単です。オカリナの仲間には「コカリナ」と呼ばれる木製の短い円筒形の
楽器も含まれます。
オカリナは、リコーダーと同様に歌口の構造が似ているため、音を出すのが容易です。簡単なメロディーはすぐに演奏できるようになりますが、息の強さや周囲の気温によって
音高が変動するため、長く吹きこなすには経験が必要です。
音域は約1.5オクターヴ程度で、特定の楽曲に応じて
音域の異なるオカリナを用意したり、移調する工夫が求められることもあります。これに対応するために、ダブルオカリナやトリプルオカリナと呼ばれる複数の管から成る
楽器も存在し、演奏の幅が大きく広がります。これらの
楽器では、複数の音を同時に奏でることができるため、より豊かな音楽表現が可能になります。
歴史
オカリナに似た
楽器の起源は古代マヤ文明に遡ることができ、亀の形をしたものが発掘されています。また、様々な文明で似た
楽器が見つかっています。
16世紀にはアステカの
楽器が
ヨーロッパに紹介され、
1860年代に
イタリアのジュセッペ・ドナティによって改良が加えられ、現代のオカリナの形が定まりました。
発音原理
オカリナの音を出すためには、歌口から息を吹き込みます。息がエッジに当たることで音が生じるのですが、これは空気の
振動と
共鳴によって可能となります。オカリナの特異な点は、
振動源としての役割を担っているエアビームがエッジに衝突し、内部の圧力が変化することで音が生まれる点です。リコーダーや
フルートと同様に、音を出す仕組みは単純ですが、オカリナの共振系は大きな空洞を持ち、リコーダーよりも
ギターや
ヴァイオリンに近い特性を示します。
音色は、素材や形状が影響しますが、
倍音が少なく、
純音に近い
音色が特徴です。
音高は、指穴の位置にあまり依存せず、内部の体積に対する開口部の大きさによって決まるため、音の高低を調整しやすい特性を持っています。
さまざまな種類
日本で普及しているオカリナは、主にC調、F調、G調のものが多く、各メーカーによって呼称も異なります。一般的な12穴式オカリナは、主音よりも短3度下の音が出せる作りになっており、たとえばアルトC調のオカリナはA4からF6までといった
音域が楽しめます。さらに、複数管オカリナは、さまざまなタイプがあり、ダブルやトリプルオカリナなどの名称で知られ、利用者に新しい表現の幅を提供しています。
オカリナはその独特な
音色と形状、演奏の楽しさから、多くの音楽愛好家に親しまれ続ける
楽器です。