ゲバラ (ゲーム)

ゲバラ（Guerrilla War）

『ゲバラ』（原題：Guerrilla War）は、1987年にSNKが開発したアーケード用のアクションシューティングゲームです。ゲームはキューバ革命を舞台にしており、プレイヤーはチェ・ゲバラやフィデル・カストロといったキャラクターを操作し、独裁者フルヘンシオ・バティスタに立ち向かうというストーリーが展開されます。音源にはYM3526とY8950を使用しており、当時のアーケードゲームらしい魅力的なサウンドを楽しむことができます。

ゲームシステム

この作品は、特異な操作システムを採用しています。ゲームの操作は「ループレバー」と呼ばれる独特なスティックとダイヤルを用い、二つのボタンで構成されています。スティックを使ってキャラクターの移動を行い、ダイヤルを回すことで敵や障害物に対する攻撃方向を調整します。プレイヤーは銃による射撃、手榴弾、そして戦車に乗ることで様々な敵を切り抜けながら、全5面を進んでいきます。

ゲームの進行中には、敵が落とす武器を用いてグレネードランチャーや火炎放射器にアップグレードすることができ、攻撃力を強化することが可能です。ただし、弾薬が尽きてしまうと、元の武器に戻ってしまいます。また、捕虜を助けることで得られるボーナス得点が設定されており、成功すればポイントがもらえる一方で、失敗すると得点を失うこともあります。

戦車は非常に強力な要素で、敵を轢いたり、砲弾を撃ったりといった攻撃手段を持っていますが、一定のダメージを受けるか燃料が尽きると自爆してしまうため、慎重に扱う必要があります。特定のアイテムを拾ったり、捕虜を助けることで燃料を補給することもできますが、障害物を破壊する爆破系武器を使用すると、進行に影響を与えることがあるため、判断が求められます。

海外版

本作はキューバ革命を背景にしているものの、海外版ではこれらの固有名詞が避けられ、独裁者やリーダーの名は伏せられた形でのストーリーが展開されています。ゲームのグラフィックや基本的なゲームプレイはそのままとされており、内容の変更は特にありません。

家庭用版

ファミリーコンピュータ版

SNKは『ゲバラ』をファミリーコンピュータに移植し、アーケード版の特徴を残しつつも多くのアレンジを加えました。十字キーによる移動と攻撃方向の統一、移動速度の向上、追加された新ステージや武器、無限コンテニューの実装などが行われています。また、プレイ人数選択画面での難易度選択やステージセレクトも可能になり、隠し要素として『サスケ VS コマンダ』も収録されています。

PlayStation Portable版

『SNKアーケードクラシックスゼロ』に収録された形で、アーケード版をプレイすることができます。このバージョンでは、設定イラストも楽しめる「ギャラリーモード」が搭載されています。

評価

ライターの河嶌太郎は、ファミコン版についてのレビューで、ゲームプレイ後にゲバラの死やカストロのその後について描かれることで、爽快感に加え歴史の学びも得られるという一石二鳥の体験ができたと評価しています。ゲーム自体はアクション性に富んでいるだけでなく、深いテーマを感じさせる内容となっています。

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