ゲーリー・ジョンソン (アメリカンフットボール)

ゲーリー・ジョンソン：ビッグハンドと呼ばれた名ディフェンシブタックル

ゲーリー・ジョンソン（Gary "Big Hands" Johnson、1952年8月31日 - 2010年8月4日）は、アメリカ合衆国ルイジアナ州シュリーブポート出身のアメリカンフットボール選手でした。1975年から1985年までの11シーズンにわたりNFLで活躍し、ポジションはディフェンシブタックルを務めました。その大きな手から「ビッグハンズ」というニックネームで親しまれました。

大学時代とドラフト

ジョンソンは、グランブリング州立大学時代には、ハイズマン賞の選考でバート・ジョーンズを上回る3位に入るという輝かしい成績を残しました。1975年のNFLドラフトでは、1巡目全体8位という高い評価でサンディエゴ・チャージャーズに指名され、入団を果たしました。その年、彼はNFLオールルーキーチームにも選出され、将来を嘱望される存在となりました。

チャージャーズでの活躍

チャージャーズでは、ジョンソンの才能が開花しました。1980年には、17.5サックという驚異的な記録を達成し、これは現在でもチャージャーズのチーム記録として残っています。この年、チャージャーズはジョンソンを含め、フレッド・ディーン、ルイ・ケルチャーといった1975年ドラフト組が中心となり、NFLトップの合計60サックを記録しました。ジョンソンとディーンはオールプロファーストチームに、ケルチャーもセカンドチームに選ばれるという快挙を成し遂げました。この3人にリロイ・ジョーンズを加えた強力なフロントラインは、当時人気を博した映画「ブルース・ブラザーズ」になぞらえて、「Bruise Brothers（痛めつけ屋兄弟）」と呼ばれ、恐れられました。

ジョンソンはその後も活躍を続け、1981年にもオールプロファーストチーム、1982年にはオールプロセカンドチームに選出されました。プロボウルには1980年から1983年まで4年連続で選ばれ、その実力を証明しました。ドン・コリエルヘッドコーチに率いられたチャージャーズは、1979年から1981年までAFC西地区で3年連続優勝を果たし、1982年もプレーオフに進出するなど、黄金時代を築きました。

49ersへの移籍とスーパーボウル制覇

1984年シーズン途中、ジョンソンはフレッド・ディーンと共にサンフランシスコ・フォーティナイナーズに移籍しました。そして、第19回スーパーボウルでは、マイアミ・ドルフィンズのQBダン・マリーノを抑え込み、見事優勝を飾りました。ジョンソンにとって、このスーパーボウル制覇はNFLキャリアにおける最高の瞬間の一つとなりました。彼は1985年まで現役としてプレーし、NFLの舞台から引退しました。

輝かしい記録と栄誉

ジョンソンの現役時代の記録は、72.5サック、インターセプト2回、ファンブルリカバー1回、合計3回のタッチダウンという素晴らしいものでした。また、セイフティも2度記録しています。その功績が認められ、1997年にはカレッジフットボール殿堂、1999年にはサンディエゴ・チャージャーズ殿堂入りを果たしました。

晩年

2010年7月、ジョンソンは脳卒中で倒れ、同年8月4日に亡くなりました。彼の死は、多くのファンや関係者に深い悲しみをもたらしました。

ゲーリー・ジョンソンは、その卓越した才能と人柄で、多くの人々に愛された名選手でした。彼の残した功績は、これからも長く語り継がれることでしょう。

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