コイノス (将軍)

コイノス：アレクサンドロス大王の信頼の将軍

コイノス（希：Koῖνος、ラテン文字転記：Coinos、？-紀元前326年）は、古代マケドニアの重要な将軍の一人であり、アレクサンドロス大王に仕えて多くの戦闘で顕著な役割を果たしました。彼はポレモクラテスの子であり、アレクサンドロスの側近の中でも特に信任されていた存在で、戦略的な判断力と軍事的才能を駆使して数々の戦闘を指揮しました。

コイノスの軍歴は紀元前335年、アレクサンドロスの北伐に始まります。この時、彼は歩兵部隊を指揮し、翌年から始まる大規模な東方遠征にも同行しました。特にグラニコス川、イッソス、テュロス、ガウガメラといった戦いでその名は記録に残っており、ガウガメラの戦いでは負傷を負うこともありました。

グラニコス川の戦い後、コイノスは新婚であったため、他の新婚者たちと共に一時的に帰国を許可されました。その後、再び遠征軍に加わり、紀元前330年にはペルシア門の戦いで軽装歩兵を指揮し、アラクセス川に橋を架ける作業を託されました。このように、彼は数々の困難を乗り越え、王の信任を得て軍の中で重要な存在となりました。

その後の戦闘でも、コイノスは抜群の戦略を持ち味にしました。バクトリアでは、ベッソスの反乱に際して王と共に迅速に介入し、地域の安定を保つために大きな役割を果たしました。その際、コイノスはフィロタスの裁判において、フィロタスを厳しく非難し、徹底的な調査を求めるなど、政治的な場面でも鋭い洞察力を示しました。

紀元前328年には、スピタメネスとの戦闘に送られ、同年の戦闘ではついにスピタメネスを撃退に成功し、彼の首を持参したマッサゲタイ人とスキタイ人が降伏する場面にも立ち会いました。

その後もコイノスは様々な作戦に参加し、特にアスパシオイ人およびアッサケノイ人に対する軍事行動では王と協力して行動しました。さらに紀元前326年のヒュダスペス川の戦いでは右翼の歩兵部隊を指揮し、戦術的な勝利を収めるなど、その存在は不可欠でした。

しかし、長い遠征の影響からか、コイノスは病に倒れ、ヒュパシス川の近くで死去しました。コイノスはアレクサンドロス大王の忠実な部下であり、彼の死は大王にとっても大きな損失であったと伝えられています。コイノスの存在は、古代マケドニアの軍事史において極めて重要であり、彼の功績は今でも語り継がれています。

もう一度検索