コウヴォラ

コウヴォラは、フィンランド南東部、キュメンラークソ県に位置する自治体で、ヘルシンキから北東へ約130kmの場所にあります。この地域は、ヨーロッパとロシアを結ぶ交通の要所として発展してきました。特に鉄道網の中心地であり、主要道路も交わる交通の便が良い場所です。市内には、フィンランドで3番目に大きな遊園地であるティキマキがあり、多くの人々が訪れます。

歴史

コウヴォラの名前は、古フィンランド語で熊、幽霊、狼、シラミ、鳥の鳴き声といった意味を持つ「Kouvo」に由来すると言われています。中世には既に村落が存在しており、ホッロラ、リッティ、ヴァルケアラの各教区に属していました。1870年代にリーヒマキとサンクトペテルブルクを結ぶ鉄道が開通し、コウヴォラ駅が設けられたことが、コウヴォラの発展の大きなきっかけとなりました。さらに10年後には、北のサヴォ地方と南のコトカを結ぶ鉄道も建設され、コウヴォラ駅は東西南北を結ぶ鉄道の結節点として重要な役割を果たすようになり、急速な発展を遂げました。

1918年のフィンランド内戦では、200人以上の犠牲者を出しましたが、鉄道による恩恵を受けながら発展を続けました。1922年にはヴァルケアラから分離・独立して自治体となり、1960年には市に昇格しました。1957年から1997年の間は、キュミ州の州都としても機能していました。2009年には、周辺の5つの自治体と合併し、新たなコウヴォラ市が誕生しました。この合併により、コウヴォラ市の人口は8万人を超え、フィンランドで10番目に人口の多い自治体となりました。

交通

コウヴォラは、フィンランドの鉄道網における重要な拠点の一つです。VR（フィンランド国鉄）の路線が東西南北に伸びており、国内の主要都市であるヘルシンキ、コトカ、ミッケリ、ヨエンスー方面への列車が運行しています。また、サンクトペテルブルクへの国際列車も停車するため、国際的な交通の要所としての役割も担っています。

コウヴォラ出身の人物

コウヴォラは、多様な分野で活躍する著名人を輩出しています。

ユハニ・アールトネン - ジャズ奏者
アルト・ブリュガレ - 陸上競技110mハードルオリンピック銅メダリスト
ニロ・ハロネン - スキージャンプオリンピック銀メダリスト
トミ・ニクネン - スキージャンプ選手・コーチ
トニ・ガルデマイスター - ラリードライバー
ヴィレ・ノウシアイネン - クロスカントリースキー選手
サミ・カルティネン - アイスホッケー選手
アリ・コイヴネン - 歌手
ハンヌ・サラマ - 作家
ニキ・シレン - アイスホッケー選手
ヤーニ・ペウフ - ロックミュージシャン（2009年にコウヴォラに合併したアンヤランコスキ出身）

まとめ

コウヴォラは、鉄道の発展と共に成長してきた歴史を持ち、交通の要所として重要な役割を果たしています。また、フィンランド有数の遊園地や豊かな自然に恵まれ、多くの人々が訪れる観光地でもあります。多様な分野で活躍する著名な人材を輩出していることも、この街の魅力の一つと言えるでしょう。

外部リンク

自治体公式サイト

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