コスミック・インベンション

コスミック・インベンション：日本のテクノポップシーンを彩った若き才能たち

1979年から1982年まで活動した日本のテクノポップバンド、コスミック・インベンション。平均年齢が非常に低かったことで話題を呼び、日本の音楽史に独特の足跡を残しました。その魅力と、メンバーたちのその後の人生に迫ってみましょう。

結成と背景

コスミック・インベンションは、電子楽器メーカー、ヒルウッド／ファーストマンの創業者である森岡一夫氏の娘、森岡みまさんを中⼼に、同年代の少年少女が集まって結成されました。プロデュースはジャッキー吉川とブルー・コメッツの小田啓義氏が担当。当時、メンバーは小中学生であり、まさに「YMOジュニア」と称されるほどの注目を集めました。

YMOの前座とメディア出演

1980年には、YMOの日本武道館公演の前座を務めるという快挙を達成。この経験は、メンバーにとって大きな転機となりました。井上能征氏（後に井上ヨシマサとして作曲家として活躍）は、この時のリハーサルでのエピソードを後に語っています。猛練習したパートが、松武秀樹氏によってコンピュータ演奏に変更されたという、当時としては衝撃的な出来事でした。

その他、NHKの『レッツゴーヤング』などの人気番組にも出演し、人気を獲得していきました。

メンバーのその後

コスミック・インベンションのメンバーは、それぞれ音楽業界で様々な道を歩んでいます。

森岡みま（ボーカル・ドラム）： 「MIMA」名義で『魔法の妖精ペルシャ』のオープニングテーマ曲を歌うなど、ソロ活動も展開。海外ツアー経験もあり、テクノバンド「DIO」、「七福神」、「KAZZ:BA」にも参加。ソニーレコード、VAPに所属しアルバムを制作したのち、長期休業を経て、料理人としてオーガニックレストランを経営。2016年に音楽活動を再開し、アルバム『COVENANT OF LOVE』をリリースし、ライブ活動も精力的に行っています。
井上能征（トップキーボード）： 「井上ヨシマサ」名義で作曲家として大成功。荻野目洋子、浅香唯、光GENJI、中山美穂、AKB48など、数多くのアーティストに楽曲を提供しています。作曲家としてのキャリア30周年を機に、コスミック・インベンション時代の経験について語っており、当時抱いていた音楽観と現実のギャップが、作曲家への転身を決意させたきっかけになったと明かしています。
佐藤克巳（セカンドキーボード）： 「佐藤鷹」名義で「To Be Continued」に参加した後、音楽プロデューサーに転身しました。
橋本かんな（ベースキーボード）： 音楽活動の詳細は明らかになっていません。
* 安藤聖己（ストリングス・オーケストラ）： 1981年に脱退。その後、作詞家として荻野目洋子に詞を提供するなど活躍しましたが、芸能界を引退しました。父親は映画監督の安藤達己氏です。

音楽活動とディスコグラフィー

コスミック・インベンションは、数々のシングルとアルバムを発表しました。代表的な楽曲には「YAKIMOKI」「ちょっとホントあとはウソ」「プラトニック学園」などがあり、そのテクノポップサウンドは、多くのリスナーを魅了しました。

2011年には、デビュー30周年を記念したベストアルバム『コンプリート・ベスト』がリリースされ、当時の音源をリマスターした楽曲に加え、アルバム未収録のシングル曲やインストゥルメンタルバージョンも収録されました。

代表曲の中には、NHK「みんなのうた」で有名な「コンピューターおばあちゃん」や、志賀真理子によってカバーされた「ひこうき雲」も含まれています。

コスミック・インベンションの遺産

平均年齢が非常に低かったにも関わらず、高い音楽性を持ち、YMOの前座を務めるなど、日本の音楽シーンに大きなインパクトを与えたコスミック・インベンション。その活動期間は短かったものの、メンバーそれぞれの才能は、その後も音楽業界で輝きを放ち続けました。彼らの音楽は、時代を超えて、多くのリスナーに感動を与え続けています。そして、彼らの存在は、日本のテクノポップの歴史において、重要な1ページを刻んでいると言えるでしょう。彼らの音楽は、現在でも多くのファンに愛され続けており、彼らの活動は日本の音楽シーンに大きな影響を与え続けました。

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