コスモスファクトリー

コスモスファクトリーは、1970年代に日本のプログレッシブ・ロックシーンで独自の地位を築いたバンドです。その音楽は、高度な演奏技術と幻想的な世界観で、多くの音楽ファンを魅了しました。

バンドの成立と初期

1968年、キーボード奏者の泉つとむを中心に、名古屋で「ザ・サイレンサー」というバンドが結成されました。その後、1970年に「ザ・サイレンサー」と「バーンズ」のメンバーが集結し、バンド名を新たに「コスモスファクトリー」として活動を開始しました。

コロムビアでのデビューと音楽性

1973年、コスモスファクトリーは立川直樹のプロデュースのもと、コロムビアから1stアルバム「トランシルバニアの古城」でレコードデビューを果たします。このアルバムは、彼らの音楽性を確立する上で重要な作品となりました。プログレッシブ・ロックを基調としながらも、日本の叙情性や幻想的な要素を取り入れたサウンドは、当時の音楽シーンにおいて異彩を放っていました。

EMIへの移籍と活動

1974年、コスモスファクトリーはEMIに移籍し、2ndアルバム「謎のコスモス号」を発表しました。その後も、1976年には3rdアルバム「Black Hole」を発表し、精力的に活動を展開。ハンブル・パイやムーディー・ブルースといった海外の著名なバンドの前座を務めるなど、その音楽は国内外で評価を高めていきました。

解散とその後

1977年、コスモスファクトリーはラストアルバム「嵐の乱反射」を発表し、惜しまれつつも解散しました。しかし、彼らの音楽はその後も多くのファンに愛され続け、日本のプログレッシブ・ロックの重要な遺産として語り継がれています。

2001年には、仲博史（ボーカル、ドラムス）、泉つとむ「泉千」（ボーカル、キーボード）、水谷ひさし（ボーカル、ギター）、山下直樹（ベース）のメンバーでプログレッシブ・ロックバンド「天志音」を結成し、名古屋を拠点にライブ活動を再開しています。

また、コスモスファクトリーは、曽根中生監督作品をはじめとする日活映画の音楽も多数手がけており、その音楽は映画の世界観を彩る重要な要素となっています。

オリジナルメンバー

泉つとむ（ボーカル、キーボード）
滝としかず（ボーカル、ベース）
水谷ひさし（ボーカル、ギター）
岡本和男（ドラムス）

ディスコグラフィー

トランシルバニアの古城(1973年)
謎のコスモス号(1975年)
Black Hole(1976年)
嵐の乱反射(1977年)

コスモスファクトリーは、日本のプログレッシブ・ロックの歴史において、独自の足跡を残したバンドとして、その名が刻まれています。

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