立川直樹

立川直樹氏は、1949年東京都生まれのプロデューサー、ディレクターです。音楽、映画、美術、演劇と、ジャンルを超えた幅広い活動で知られています。特に、メディア同士の交流というテーマを軸に、1960年代後半から精力的に活動を続け、現在も第一線で活躍しています。

若き日の立川氏は、グループサウンズの隆盛期にザ・ルビーズのベーシストとして活動していました。当時の芸名はミック立川。この経験は、後の彼の活動に大きな影響を与えたことは想像に難くありません。ザ・タイガースの武道館公演では、ザ・ルビーズが前座を務めたことから、後に親交を深めることになる沢田研二氏と出会っています。

音楽業界での活動にとどまらず、立川氏は映画の世界でも才能を発揮しています。数々の映画作品で音楽監督を務め、その手腕は高く評価されています。特に、国際的な映画祭で高い評価を得た作品への参加は、彼のキャリアにおける重要な実績と言えるでしょう。ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した『悲情城市』、銀獅子賞を受賞した『紅夢』など、錚々たる作品に関わってきました。他にも、『マルサの女』『曼荼羅 若き日の弘法大師・空海』『真夜中まで』『この世の外へ クラブ進駐軍』といった作品で音楽監督として作品に彩りを添えています。

さらに、立川氏の活動は、音楽や映画のみに留まりません。1998年には、横浜ランドマークプラザにて開催された漫画家・赤塚不二夫氏の大回顧展「これでいいのだ赤塚不二夫展」のプロデューサーを務め、連日盛況を博しました。この展覧会の成功は、彼の企画力とプロデュース能力の高さを証明するものです。

立川氏の活動は、単に作品を制作することに留まらず、文化交流の促進という側面も持ち合わせています。音楽、映画、美術、演劇など、異なるジャンルの垣根を越えた活動を通じて、多様な文化の融合を図ることに貢献してきたと言えるでしょう。

また、彼は数々の著作も残しています。ビートルズ、ピンク・フロイド、ポリスといった世界的アーティストをテーマにした作品から、日本の音楽史を語る作品、そして仕事術や人生観を綴ったエッセイまで、そのテーマは多岐に渡ります。これらの著書は、音楽や文化に対する深い造詣を示すとともに、読者に様々な示唆を与えてくれるでしょう。『ビートルズの本』『ピンク・フロイド：吹けよ風、呼べよ嵐』『ポリス：宣戦布告』『ピンク・フロイド：One of these days』『ビートルズ王国：四人の歴史』『シャングリラの予言』『名曲歳時記：人生を彩る200曲』『何気ないことを大切にする仕事術』『セルジュ・ゲンスブールとの一週間』『「快楽」都市遊泳術：クラブシャングリラの予言』『シャングリラの予言 続』『父から子へ伝える名ロック100』『Tokyo 1969』など、多くの作品が出版されています。

立川直樹氏の活動は、単なるプロデューサー、ディレクターの枠を超え、文化創造者、文化交流の促進者としての側面も持ち合わせています。彼の今後の活動からも目が離せません。

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