コズモギャングズ

コズモギャングス

『コズモギャングス』（COSMOGANGS）は、1990年に株式会社ナムコ（現在の株式会社バンダイナムコアミューズメント）が開発・稼働を開始した、アーケード向けのエレメカタイプのガンシューティングゲームです。最大2人でのプレイに対応しており、後に様々な展開を見せる「コズモギャングス」シリーズの記念すべき第一作として知られています。

ゲームシステム

本作のプレイヤーは、画面奥から手前に向かって5本のレーンを進んでくる宇宙盗賊団「コズモ」たちを、備え付けられた光線銃で撃退する任務を担います。彼らの目的は、画面手前に置かれた大切なエネルギーコンテナを奪うこと。プレイヤーの役割は、コンテナを一つも奪われることなく防衛し続けることです。コズモに銃弾が命中すると、「アレ～」という特徴的なボイスと共に一時的にレーンの最も奥まで後退するユニークな挙動を見せます。様々なタイミングで攻め込んでくるコズモを正確に撃ち続け、すべてのコンテナを守り切ることがゲームの目的となります。もしコズモにコンテナを一つでも奪われてしまうと、その時点でゲームオーバーとなります。高いスコアを出すことに成功すると、コズモたちが「マケマケダンス」という特別なパフォーマンスを披露する愉快な演出が用意されていました。シンプルながらも反射神経と的確な判断が求められるゲーム性と、愛嬌のあるキャラクターデザインやボイスが多くのプレイヤーに支持されました。

ストーリー背景

物語の舞台となるのは、広大な宇宙空間です。かつてコズモ星から追放された後、宇宙要塞アンコクに本拠地を構えるのは、恐れを知らぬドンコズモ率いる「宇宙盗賊団コズモギャングズ」です。彼らは宇宙最大の商業惑星アーキンドの首都ジガゴを彼らの縄張りとし、宇宙で最も悪名高い犯罪王となるべく、日夜悪事を重ねていました。その悪名は瞬く間に宇宙中に広がり、各地から集まってきた悪漢どもが次々とギャング団に加わった結果、コズモギャングズの勢力は手のつけられないほどに拡大していきます。この由々しき事態を重く受け止めたコズモ星のコズモポリス本部は、増長するギャング団を徹底的に撲滅するため、本部長直轄の極秘特別部隊「アンタッチャ」を密かに組織します。こうして、正義のアンタッチャと悪のコズモギャングズの間で、勇気と感動、そしてどこか「みみっちい」笑いに彩られた、壮大なる物語の火蓋が切って落とされるのでした。

現在の状況と展開

残念ながら、『コズモギャングス』を含む本シリーズは、日本国内ではすでに販売が終了しています。さらに、長年の稼働による筐体の老朽化や部品の調達が困難になったことを受け、シリーズ全体のアーケードゲーム機に対する修理サポートも、2017年10月をもって終了となりました。一方で、海外市場においては、国内サポート終了後となる2018年以降にも新たな展開が予定されるなど、一部地域での継続的な活動が見られました。

家庭用移植と関連商品

アーケードでの人気を受け、『コズモギャングス』は様々なプラットフォームや形態で展開されました。ニンテンドーDS向けに発売された『右脳の達人 ガンバれっトレーナー』に収録されている「エレメカミュージアム」モードでは、本作のデジタル版を遊ぶことができます。また、ゲームのヒットを受けて、1991年には株式会社セガ（現在の株式会社セガ フェイブ）からゲームを模した玩具が発売されたほか、株式会社バンダイからもLSIゲームとしての商品化が行われるなど、当時の幅広い人気を証明しています。

シリーズ作品

本作の世界観を引き継ぐ続編や関連ゲームも複数制作されました。1992年に登場した『コズモポリスアンタッチャ』は、コズモポリスの乗る特殊車両「パトビート」をレバー操作で操り、敵であるコズモギャングズに体当たりして捕獲するプライズゲームです。プレイ内容に応じて獲得できる景品が変化しました。1994年にリリースされた『ドドンガドン』は、左右に移動する巨大な怪獣「ドドンガドン」の弱点であるヘソに、レールで誘導された5つのボール（ズドーンバクダン）を正確にぶつけるゲームで、通信機能を利用した2台での対戦プレイも可能なタイトルでした。

その他の展開

「コズモギャング」の名を冠する作品はこれらだけではありません。『コズモギャング・ザ・ビデオ』では、ゲーム内の特定のチャレンジングステージにおいて、本作のビデオゲーム版をプレイできるという趣向が凝らされていました。『コズモギャング・ザ・パズル』というタイトルも存在します。また、一部店舗でロケテストが行われたものの、広く一般に普及しなかった大型エレメカ『コズモバズーカ』もありました。これは、プレイヤーがバズーカ型のコントローラーを用いてボールプール内のボールを飛ばし、画面上のギャング団を撃退するという豪快な内容でしたが、その巨大な筐体サイズから設置場所の確保が難しく、構造上大きな改造なども困難だったため、結果的に自然消滅に至ったとされています。

これらの作品群を通じて、『コズモギャングス』シリーズはそのユニークな世界観とキャラクターで、多くのプレイヤーに記憶されています。

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