コソボ治安軍

コソボ治安軍（KSF）とは

コソボ治安軍（アルバニア語：Forca e Sigurisë së Kosovës、セルビア語：Косовска безбедносна служба / Kosovske bezbednosne služba）は、2008年2月17日のコソボ独立宣言後に設立準備が進められたコソボの軍隊です。

設立と初期の活動

2008年12月初旬から兵員の徴募が開始され、18歳から30歳までの男女が対象となりました。最高司令官には、スュレイマン・セリミ中将が就任しました。2009年1月4日には、コソボ防護隊から選ばれた人員がコソボ治安部隊へ転籍することが発表されました。

2009年1月21日、コソボ治安部隊は公式に発足し、コソボ防護隊の任務を引き継ぎました。訓練はイギリス軍の軍人が担当し、軍服はアメリカ合衆国、軍用車はドイツから支給されるなど、国際的な支援を受けています。任務はNATOの定める範囲内で行われ、イタリア、ポルトガルなどのNATO加盟国からも寄付や訓練提供がありました。創設のために、スロベニアからは3万ユーロが寄付されました。

2009年9月18日、NATOの人員による8ヶ月間の初期訓練を終え、コソボ治安部隊は公式に任務を開始しました。

歴史的背景

1999年のコソボ紛争後、国際連合安全保障理事会は決議1244を議決し、NATO主導のKFORがコソボの治安維持を担うことになりました。KFORは1999年6月12日に国際連合の命令に基づきコソボに進駐しました。当時、コソボではセルビア人勢力とアルバニア人勢力との間で激しい戦闘が繰り広げられ、深刻な人道危機が発生していました。民族間の対立は激化し、多数の死者と難民が発生しました。

2008年3月19日、アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュは、独立したコソボとの外交関係樹立と、コソボへの武器供給を承認しました。ブッシュ大統領は、コソボへの武器供給が「合衆国の安全を強化し、世界平和を育む」と信じると述べています。

同年3月、NATO主導のKFORとコソボ防護隊は、コソボ治安部隊の創設準備を開始しました。コソボの新聞「コソヴァ・ソト」によると、治安部隊は軽武装であり、NATOの求める範囲内で活動すると報じられました。計画では、常備人員4500人と予備役人員2000人で構成され、NATOから派遣された専門家による入隊登録と訓練が5月から6月に開始される予定でした。

責務と組織

コソボ治安部隊省は、コソボ治安部隊の任務を明確に定めています。詳細な任務内容は公式文書をご確認ください。

上級士官

2009年6月16日、以下の幹部が最高司令官スュレイマン・セリミ中将の下で宣誓を行いました。

ラフマン・ラマ少将
カドリ・カストリオティ少将
バシュキム・ヤシャリ准将
ナズミ・ブラヒマイ准将
ズュメル・ハリミ准将
イムリ・イラジ准将
エンヴェル・ツィカチ准将

参考情報

Ministry for the Kosovo Security Force
* PDF document of the Law of the Kosovo Security Force (PDF)

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