コタバト州

コタバト州

コタバト州は、フィリピン南部のミンダナオ島に位置する内陸の州で、ソクサージェン地方（Region XII）に属しています。州の面積は6,569.9平方キロメートル、2000年の国勢調査では人口は958,643人です。州都はキダパワン市です。

歴史的背景と変遷

コタバト州の歴史は、その地理的な位置と民族構成において複雑な様相を呈しています。元々、この地域はミンダナオ川沿いのコタバト平野を中心とした広大な領域を占め、フィリピンで最も面積の広い州でした。しかし、1966年に南コタバト州が分離独立したのを皮切りに、1973年11月には北コタバト州、マギンダナオ州、スルタン・クダラット州の3つの州に分割され、現在の領域となりました。さらに、1983年12月には、北コタバト州がコタバト州に改名され、現在に至っています。

民族構成

ルソン島やヴィサヤ諸島からのキリスト教徒の移住が盛んであり、それによって元のムスリム系の住民の数が相対的に少なくなっています。この民族構成の変化は、地域の社会構造や文化に大きな影響を与えています。2019年には、バンサモロ自治地域の設立に伴い、コタバト州西部のムスリム住民が多い67のバランガイで、バンサモロへの編入を問う住民投票が実施されました。その結果、63のバランガイはコタバト州に残りつつ、バンサモロ自治地域に編入されるという複雑な状況が生じました。

名称の由来

「コタバト」という名称は、マギンダナオ族の言葉である「kuta wato」またはマレー語の「kota batu」に由来しており、どちらも「石の要塞」を意味します。この地名は、19世紀にフィリピンが植民地化される以前に存在したムスリム国家・マギンダナオ王国の名残りを今に伝えるものです。

地理

コタバト州は、南にスルタン・クダラット州、東にダバオ地方のダバオ・デル・スル州とダバオ市、北に北ミンダナオ地方のブキドノン[[州]]、バンサモロ自治地域のラナオ・デル・スル州、南西にマギンダナオ州と接しています。また、マギンダナオ州内にはコタバト市が存在しますが、これはソクサージェン地方の中心都市であり、コタバト州とは独立した都市です。このコタバト市は、1973年の分割以前の旧コタバト州の領域の名残であり、現在のコタバト州と混同されることがあります。周辺地域との複雑な関係が、コタバト州の地理的な特徴を際立たせています。

コタバト州は、その歴史、民族構成、地理的な特徴が複雑に絡み合った地域であり、フィリピンの多様性を象徴する場所の一つと言えるでしょう。

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