コタバル

コタ・バルは、マレーシアのクランタン州の州都であり、マレー半島の北東部に位置しています。南シナ海とタイランド湾に面しており、2011年の時点で約49.1万人の人口を抱える都市です。その総面積は394平方キロメートルに及びます。コタ・バルという名前は、マレー語で「新しい町」または「新しい城」を意味します。

この都市は、マレーシア国内で最もイスラム色が強いことで知られており、住民の大多数はマレー系です。しかし、タイとの国境に近いため、タイのテレビ放送を受信することも可能です。ただし、街中ではタイ語はあまり通じません。街には数多くのモスクが点在し、拡声器を通じてコーランの詠唱が日常的に流れています。

歴史

コタ・バルから約10キロメートル離れたパンタイ・ダサール・サパは、1941年12月8日に日本軍がマレー半島に上陸した場所として知られています。この上陸作戦は、第二次世界大戦における太平洋戦争の開始を告げるものでした。現在、上陸地点には記念碑が建てられています。

地理と気候

コタ・バルは、タイとの国境に近いことから、気候もタイ南部に類似しています。特に顕著なのは、雨季の終わりである11月と12月です。この時期には、年間降水量の半分近くが集中し、非常に多くの雨が降ります。

観光スポット

コタ・バルには、歴史と文化を反映した様々な観光スポットがあります。

ムルデカ広場：市内の中心部に位置する広場で、地元の人々や観光客の憩いの場となっています。
第二次世界大戦記念館：第二次世界大戦中の歴史を展示する施設で、この地域が戦火に巻き込まれた歴史を学ぶことができます。
イスラム博物館：イスラム文化に関する展示を行っており、この地域のイスラム文化への理解を深めることができます。
イスタナ・バライ・ブザール：壮大な王宮で、マレーシアの歴史的建造物の一つです。
クランタン州立博物館：クランタン州の歴史と文化を紹介する博物館です。
グランガン・セニ：伝統工芸品や文化的なパフォーマンスを体験できる場所です。
イスタナ・ジャハール：歴史的な宮殿で、建築様式が美しいことで知られています。
イスタナ・バトゥ：もう一つの歴史的な宮殿で、その美しさと歴史的価値で知られています。
ハンディクラフト博物館：地元の手工芸品を展示する博物館です。

ビーチ

コタ・バル周辺には、美しいビーチが点在しており、観光客に人気です。

パンタイ・チンタ・ベラヒ：静かで美しいビーチで、リラックスした時間を過ごすことができます。
パンタイ・イラマ：家族連れに人気のビーチで、海水浴や日光浴を楽しむことができます。
パンタイ・ダサール・サパ：歴史的な上陸地点であり、記念碑を見ることができます。

交通

コタ・バルへのアクセスには、主に以下の交通手段が利用できます。

航空：スルタン・イスマイル・プトラ空港が市内にあり、国内各地からのフライトが利用できます。
バス：クアラルンプールやクアラ・トレンガヌ、タイとの国境の街ランタウ・パンジャンなどから中長距離バスが運行しています。ランタウ・パンジャンからは、タイのスンガイコーロック郡に陸路で抜けることも可能です。
鉄道：コタ・バル市内には鉄道は乗り入れていません。最寄りの駅は、マレー鉄道東海岸線のワカフ・バル駅やパシール・マス駅です。

その他

コタ・バルにはタイ領事館があり、タイへの長期滞在を希望する人々がビザを取得するために訪れることがあります。国境付近の治安の問題から、ペナン島のタイ領事館を利用する人も多いですが、コタ・バルではイスラム暦が採用されており、金曜日が休日であるため、領事館は日曜日も開館しています。この特徴は、この街のイスラム文化の影響を強く示しています。

姉妹都市

コタ・バルは、以下のような都市と姉妹都市提携を結んでいます。

プカンバル（インドネシア）
笠岡市（日本、岡山県）
新城市（日本、愛知県）
* 開城市（北朝鮮）

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