コットンハーバー地区

横浜コットンハーバー地区は、神奈川県横浜市神奈川区の山内埠頭に位置する、約7.1ヘクタールの再開発エリアです。この地区は、横浜市が2014年に策定した都心臨海部再生マスタープランにおいて、東神奈川臨海部周辺地区の一部として位置づけられています。また、近隣の東高島駅北地区の再開発計画にも深く関連しています。

沿革と概要

地区の名称は、洗いざらしの綿のような自然な風合いと、かつてこの地にあった綿花町という町名に由来します。2002年には都市再生緊急整備地域に指定され、2003年には土地区画整理組合が設立、2004年に区画整理事業が開始されました。特筆すべきは、この再開発には横浜市からの補助金が一切出ていない点です。

主な開発としては、三菱地所、野村不動産、JFE都市開発によって建設された「コットンハーバータワーズ」と「コットンハーバー マリナゲートタワー」を中心とするマンション群があります。その他、結婚式場「コットンハーバークラブ」やスーパーマーケット「プラザ栄光生鮮館コットンハーバー店」などの商業施設も充実しています。スーパーマーケットは一時閉店を経て、マンション1階部分にリニューアルオープンしました。また、天然温泉リゾート「INSPA横浜」は、一時閉店を経て会員制施設として再開しています。

2010年代に入ってからは、賃貸マンション「ヒストリアレジデンス海舟」や高齢者向け住宅「サンシティみなとみらいEAST」が新たに建設されました。さらに、ホテル計画中止後の跡地には、フットサルコートや屋内テニススクールがオープンするなど、多様な施設が整備されています。2018年にはスーパーマーケットの建物が取り壊され、マンション「クリオ レジダンス横濱ベイサイド」が建設され、スーパーもマンション1階に再出店しました。地区内には星野町公園が整備され、かつての神奈川台場の遺構も一部見学できます。

各街区の開発状況

地区内はAからDの4つの街区に分かれており、それぞれ異なる特徴を持っています。

A街区（ハーバーゲート）: 住宅型有料老人ホーム「サンシティみなとみらいEAST」があります。
B街区（ハーバーテラス）: B-1街区にはマンションとスーパー、コインパーキング、B-2街区には賃貸マンションと神奈川台場資料室があります。
C街区（コットンハーバータワーズ）: 4棟からなるマンション群「コットンハーバータワーズ」があり、そのうち1棟は保育園と接続しています。
D街区（ハーバーコースト）: D-1街区には温泉施設、結婚式場、フットサルコート、屋内テニススクールがあります。D-2街区には企業の支店があり、未開発の区画も残っています。また、浅野ドック跡の記念碑があるボードウォークは私有地のため、関係者以外の立ち入りは制限されています。

神奈川台場跡

この地区には、江戸時代末期に勝海舟が設計した神奈川台場があり、星野町公園や周辺でその遺構を見ることができます。公園内には石垣が整備されており、近隣のマンションには遺構を展示した資料室がありました（現在閉鎖）。

交通アクセス

JR東神奈川駅、京急東神奈川駅、京急神奈川駅から徒歩圏内です。また、横浜駅からは市営バスも利用できます。

周辺地域とのアクセス

以前は、横浜駅東口エリアへのアクセスに時間がかかっていましたが、2019年に歩行者用通路「コットンみらいロード」が開通し、利便性が向上しました。また、近隣の卸売市場やみなとみらい地区へのアクセスも改善されています。

周辺の状況と展望

地区周辺には運輸関係の施設が多く、北側にはJR貨物の東高島駅があります。この地区を含む横浜都心臨海部では、長期的な都市再生計画が進められており、LRTなどの新たな交通システムも検討されています。東海道貨物支線の旅客線化も計画されており、市街地整備の促進が期待されています。

東高島駅北地区再開発事業

東神奈川駅と東高島駅間の地域では、大規模な再開発が計画されています。医療、健康、居住を柱とした街づくりが進められており、高層マンションや商業施設が建設される予定です。この再開発には、治水対策や交通アクセスの改善も含まれています。

開発計画概要

東高島駅北地区はAからEの5つの地区で構成され、中心部のC地区には複合住宅トリプルタワーが建設されます。このタワーは3棟からなり、高層階には住宅、低層階には商業施設や公益施設が配置される予定です。当初計画から工期は遅れており、2026年から2030年代に竣工が予定されています。

横浜コットンハーバー地区は、歴史と未来が交錯する魅力的なエリアです。多様な施設や快適な住環境が整備され、今後のさらなる発展が期待されます。

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