コナミ矩形波倶楽部

コナミ矩形波倶楽部:ゲーム音楽史を彩るサウンドチーム



コナミ矩形波倶楽部は、1990年代のゲーム音楽シーンを牽引した、コナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)のサウンドチームの総称であり、バンドとしても活動していました。

概要



1987年、コナミの音楽担当チームのメンバーがバンド活動のために「コナミ矩形波倶楽部」を結成。当時、他のゲームメーカーでもバンド結成が相次いでおり、コナミ矩形波倶楽部もその流れに乗る形で誕生しました。1990年にオリジナルアルバム「矩形波倶楽部」をリリースしたことを機に、サウンドチームの名称は「コナミ矩形波倶楽部」、バンドは「矩形波倶楽部」と区別されるようになりました。

しかし、バンド名が簡素な変更であったことや、参加メンバーが原則として「コナミ矩形波倶楽部」のスタッフであったことから、名称分別後も混同して使用されることが多く、コナミ自身も混用していたことがありました。

コナミのゲーム音楽CDでは、「作曲者」「コンポーザー」のクレジットが「コナミ矩形波倶楽部」で統一されていましたが、実際にバンド活動に関わっていたのは一部のメンバーに限られていました。ライブの模様は『千両箱』シリーズに収録されています。

コナミ矩形波倶楽部が存在していた時期のコナミ音楽は非常に評価が高く、ゲームサウンドブームの一角を担っていました。特に1980年代には、ファミコンやMSX向けに独自の音源を開発し、ROMカセットに搭載するなど、音源開発にも力を入れていました。また、完成した曲をサウンドスタッフ全体で何度も聞き意見を募る「評価会」というシステムがあり、クオリティコントロールとチェック体制がしっかりしていました。

メンバーの相次ぐ退社と活動終了



1996年以降、サウンドトラックやアルバムから「コナミ矩形波倶楽部」の名前は消え始め、作曲者の名前がクレジットされるようになりました。1990年代後半以降、バンド結成当時のスタッフもほとんどコナミを退社し、最後の主要メンバーであった古川も2003年1月に退社し、活動終了となりました。

コナミの企業形態も分社化が進み、音楽ゲームを中心とした展開が主流になるなど大きく変化し、復活は困難な状況になっています。

活動終了後



2000年代に入ってからも、楽曲の版権管理などの便宜上、「コナミ矩形波倶楽部」のクレジットが使用されることがあります。

歴史



1987年3月:アルファレコード(G.M.Oレーベル)から発売された『コナミック・ゲーム・フリークス』で結成。
1990年2月:リリースした『グラディウスIII』がオリコンにて初登場で26位。
1990年11月:オリジナルアルバム『矩形波倶楽部』リリース。
1992年6月:古川がソロアルバム『SOUND LOCOMOTIVE』をリリース。
1993年:メンバー変更宣言
1993年11月:オリジナルアルバム2枚目『HOPE』リリース。
1996年11月:セガのS.S.T.BAND元メンバー、並木晃一と古川が手を組み、『POLICENAUTS F/N』リリース。
1997年12月:ベストアルバム『矩形波倶楽部&コナミ矩形波倶楽部BEST vol.1』リリース。
1998年9月:ベストアルバム『矩形波倶楽部&コナミ矩形波倶楽部BEST vol.2』リリース。
2003年1月:古川がコナミを退社した事により活動終了。

主要メンバーと担当作品



ミッシェル古川(古川もとあき):『グラディウス2』、『沙羅曼蛇』、『悪魔城伝説』など
プロフェット深見(深見誠一):『グラディウスII』、『グラディウスIII』、『極上パロディウス』など
MIKI-CHANG(東野美紀):『グラディウス』、『沙羅曼蛇』、『幻想水滸伝』など
その筋森本(森本ゆきえ):『グラディウスII』、『悪魔城伝説』、『Pop'nツインビー』など
フナ-chan(船橋淳):『悪魔城伝説』、『ツインビー3 ポコポコ大魔王』、『がんばれゴエモン3 獅子重禄兵衛のからくり卍固め』など
モアイ佐々木(佐々木嘉則):『ツインビー』、『夢大陸アドベンチャー』、『魔城伝説』など
IKA-chan(碇子正広):『パロディウス』、『沙羅曼蛇』、『メタルギア2 ソリッドスネーク』など
ルーズベルト泉(泉陸奥彦):『スナッチャー』、『メタルギア2 ソリッドスネーク』、『GUITARFREAKS』など
なぞなぞ鈴木(鈴木勝彦):『エスパードリーム』、『魍魎戦記MADARA』、『ラグランジュポイント』など
ピストン上原(上原和彦):『メタルギア2 ソリッドスネーク』、『魔城伝説II ガリウスの迷宮』、『スパークスター』など

ディスコグラフィ



コナミ矩形波倶楽部は、数多くのゲームサウンドトラックやアレンジアルバムをリリースしています。詳細は割愛しますが、以下のような作品があります。

矩形波倶楽部
魍魎戦記 摩陀羅
矩形波倶楽部
HOPE
矩形波倶楽部 pro-fusion ~ツインビー ヤッホー!~
矩形波倶楽部 pro-fusion ~沙羅曼蛇
矩形波倶楽部 & コナミ矩形波倶楽部 BEST Vol.1
矩形波倶楽部 pro-fusion ~ときめきメモリアル
矩形波倶楽部 & コナミ矩形波倶楽部 BEST Vol.2
KONAMI矩形波倶楽部/ゲーム・サウンドトラック/アレンジ・サウンドトラック

特記事項



コナミ矩形波倶楽部の音楽のアレンジ企画CDがコナミレーベルからいくつかリリースされており、その中の「パーフェクト・セレクション」シリーズのCDをリリースするにあたりバンド「矩形波倶楽部」のメンバーでもある「なぞなぞ鈴木」はコナミを退社する1992年までコナミ社外の「入江純」、「松武秀樹」といったメンバーと組んで矩形波倶楽部以外に「nazo2 project」というユニット組んでいた。

アルファレコードのG.M.O.レーベルから発売された『コナミック・ゲーム・フリークス』『コナミ・ゲーム・ミュージックVol.4』はサイトロンからGAME SOUND LEGEND SERIESとして復刻されているが、この2つのアルバムは一部曲削除やゲームタイトル表記の変更が行われています。

関連項目



ゲーム音楽の作曲家一覧
S.S.T.BAND
ZUNTATA
ALFH LYRA
GAMADELIC
J.D.K.BAND
* SNK新世界楽曲雑技団

コナミ矩形波倶楽部は、その革新的なサウンドと、ゲーム音楽への貢献によって、ゲーム音楽史にその名を刻んでいます。

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