沙羅曼蛇

沙羅曼蛇（SALAMANDER）

『沙羅曼蛇』（サラマンダ、SALAMANDER）は、コナミが開発し1986年にアーケードゲームとして登場した、縦横両スクロールシューティングゲームです。海外では『Life Force』という名称で知られていますが、この名称には2つの異なるバージョンが存在します。一つは、背景を一部変更した海外向けバージョン、もう一つは、その海外版を基に大幅なアレンジを加えた日本国内向けバージョンです（詳細については『ライフフォース』の項目を参照）。海外版では、ボイスやストーリー説明が追加されるなどの変更が加えられています。

概要

本作は、『グラディウス』（1985年）の翌年にリリースされ、グラディウスシリーズの続編にあたります。ただし、ストーリー上の続編は『グラディウスII -GOFERの野望-』（1988年）であり、その後も多数のシリーズ作品が登場しています。

ステレオ対応のFM[[音源]]サウンドや、場面に合わせたボイス（合成音声）、プロミネンスに代表される美しいグラフィックや演出効果が大きな話題を呼びました。当時としては珍しいステレオ対応筐体での販売が行われ、その希少性からプレイ待ちの行列ができるほどの人気を博しました。

沙羅曼蛇シリーズ

本作はグラディウスシリーズの一角を担う一方で、独自の続編『沙羅曼蛇2』（1996年）も製作されました。日本版『ライフフォース』を含めた「沙羅曼蛇シリーズ」の3作品は、PlayStation、セガサターン用ソフト「沙羅曼蛇 DELUXE PACK PLUS」に収録され、オリジナル版に忠実な移植がなされました。

その後、PSPで『XEXEX』などを含む5作品を収録した「沙羅曼蛇 ポータブル」がリリース。PlayStation 4|PlayStation_4、Nintendo Switchの「アーケードアーカイブス」では、本作と日本版、北米版『ライフフォース』の3作がまとめて配信されています。

※特に断りがない限り、本稿ではアーケード版について解説します。移植作品については、各機種版の項目を参照してください。ただし、MSX版はタイトルやBGMこそ共通するものの、ステージ構成などが大幅に異なるため、別項目「沙羅曼蛇 (MSX)」で解説します。

ゲーム内容

システム

8方向レバーと2つのボタン（ショット、ミサイル）で、1P側がビックバイパー（青）、2P側がロードブリティッシュ（赤）を操作します。全6ステージで、奇数面が横スクロール、偶数面が縦スクロールとなっています。

2人同時プレイが可能で、ステージ6以外であれば途中参加も可能です。コンティニューはなく、コインを投入することで残機が増える仕様です。得点による残機増加はありません。ループゲームであり、周回数を重ねるごとに地形が変化し、3周目以降は敵が撃ち返し弾を放つなど、難易度が上がっていきます。

パワーアップは、『グラディウス』のカプセルストック制ではなく、アイテム制を採用しています（FC版、MSX版はカプセルストック制）。自機が破壊されてもその場で復帰し、ゲームが継続される点も特徴です。これらの違いから、『沙羅曼蛇』はグラディウスシリーズの中でも異質な作品となっています。

なお、『グラディウス』と同じカプセルストック制のパワーアップシステムを持つ『ライフフォース』（元々は沙羅曼蛇の海外版）も存在します。

パワーアップ

パワーアップの構成は『グラディウス』と似ていますが、各装備に対応するアイテム（パワーユニット）を取得することでパワーアップします。パワーユニットは特定の敵を倒すと出現し、その出現位置は固定されています。デモンストレーション中には、各パワーユニットの説明が表示されます。

パワーユニットとその効果

各装備の性能や補足事項については、#パワーアップの制約・固有性能 で解説します。特記がないものは1段階のみパワーアップしますが、パワーアップ限界数を超えて取得しても得点にはなります。

スピードアップ (SPEED UP): 自機の移動速度が上がります（最大5速）。
ミサイル (MISSILE): 横スクロール時は上下、縦スクロール時は左右にミサイルを発射します。地形に接触すると地表を滑走し、壁を登ることも可能です。ステージ4と6では、画面奥の方向にもミサイルを投下します。
リップルレーザー (RIPPLE LASER): 徐々に拡大するリング状レーザーを前方に発射します。貫通力はありません。レーザーとは排他選択です。
レーザー (LASER): 威力が高く、敵を貫通する螺旋模様のレーザーを前方に発射します。リップルレーザーとは排他選択です。
マルチプル (MULTIPLE): 自機と同じ武装を持ち、追尾するように動く無敵の発光体です。最大4つまで装備可能です。グラディウスシリーズにおける「オプション」に相当します。
フォースフィールド (FORCE FIELD): 一定方向に敵の攻撃を防ぐバリアです。最大4つ（実質3つ）まで装備可能です。

パワーアップの制約・固有性能

ミサイルは特定の障害物（2, 5面の岩、3, 6面のボスなど）に撃ち込むことで、当たり判定を消すことができます。
ステージ4と6で発射可能な下方向（画面奥）へのミサイルは、空中の敵機を破壊できます。
メインウェポンで最も弾速が速いのはリップルレーザーです。
リップルレーザーは、地形との接触判定がレーザーの中央付近にしかないため、拡大した状態でも中央付近が地形と接触していなければ消滅しません。
レーザーの当たり判定は、上下に広く、見た目よりも広い範囲を攻撃できます。
レーザーは、ショットボタン連打で細切れ状に連射できますが、自機の位置に合わせて同一射線上を移動するため、連射に意味はありません。
自機が破壊されると、装備していたマルチプルはアイテムとなり、スクロールと共に流れていきます。復帰した自機が回収すれば再度装備されます。
2人同時プレイ時では、2人合わせて4つまでマルチプルを装備可能です。
フォースフィールドは、1周回中に3つしか出現しないため、最大装備数は実質3つです。

2人同時プレイ

当時としては画期的だった2人同時プレイが可能です。1P側（ビックバイパー、青色の機体）と2P側（ロードブリティッシュ、赤色の機体）で、グラフィックは異なりますが、性能に違いはありません。

双方の機体は互いに重なることができず、ぶつかると相手の機体を押すことになります。押された結果、地形に接触してしまうとミスとなるため、狭い場所では注意が必要です。これはAC版『沙羅曼蛇』や忠実な移植作品のみに見られる現象です。

難易度

敵の出現位置、攻撃方法、アイテムの場所などは固定されており、パターン化によって攻略法を確立できます。

本作では、『グラディウス』とは異なり、再開時に一定の場所まで戻されることはなく、その場で復活し、マルチプル（オプション）を回収可能です。ただし、高次周では一度ミスすると復活は困難になります。

演出

グラフィックやステレオサウンドに加え、シリーズ初の「声（英語）」による演出が特徴的です。武器を装備した時や、ステージの切り替わり、ボス戦の直前にボイスが流れます。

ストーリー

水の惑星ラティスは、サラマンダ軍の侵略を受けていました。ラティスの王子は、惑星グラディウスに救援を求め、グラディウス軍の勇者は、サラマンダ軍の母星へと飛び立つため、ビックバイパーを発進させます。

ステージ構成

本作の特徴は、スクロール方向が横だけでなく縦にもなる点です。これにより戦略性が高まり、装備の性能や自機の当たり判定も変化します。

キャラクター

（主要な敵キャラクターの説明は省略）

他機種版

（各機種版の説明は省略）

音楽

東野美紀が作曲を担当。FM[[音源]]チップYM2151を使用し、ステレオ出力されるのが当時としては珍しいことでした。

開発

当初、『グラディウスII』として開発されていましたが、縦横スクロールを交互に挿入することになり、別タイトルとしてリリースされました。

スタッフ

（スタッフリストは省略）

評価

（評価は省略）

関連項目

ライフフォース
沙羅曼蛇2
グラディウスシリーズ

外部リンク

（外部リンクは省略）

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