コナミ神戸ビル

コナミ神戸ビルは、兵庫県神戸市中央区のポートアイランドに位置する、かつてコナミ（現コナミホールディングス）が使用していた事業所です。1986年に「ポートアイランドコナミビル」として竣工し、1999年まで登記上の本社としても機能していました。地上10階、地下1階、延べ床面積9,643.42平方メートルを誇るこの建物は、コナミの歴史において重要な役割を果たしました。

沿革

1986年8月、コナミ工業の本社として「コナミソフト開発ビル」の名称で落成しました。これにより、大阪市北区にあった旧本社から移転し、販売部門を担う東京のコナミ（旧社）との間で2本社体制が確立しました。しかし、1991年にコナミ工業がコナミ（旧社）を吸収合併し、コナミ（新社）が誕生すると、グループの事業拡大に伴い、開発機能は神戸市西区の技術研究所（後のコナミデジタルエンタテインメント神戸事業所）や神奈川県座間市の神奈川事業所へと分散していきました。

1993年以降、本社機能の大半は東京都港区虎ノ門の城山JT森ビル（現・城山トラストタワー）に移管されました。さらに、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災により甚大な被害を受け、長期間にわたる閉鎖を余儀なくされました。1999年には本店登記も東京へ移され、神戸ビルの本社としての役割は終焉を迎えました。

1995年4月には、開発部門の分社化が行われ、神戸開発部を母体とするコナミコンピュータエンタテインメント大阪（KCEO、後のコナミOSA）が設立されました。1998年にはKCEO開発1部が分離し、コナミコンピュータエンタテインメント神戸（KCEK）も設立されましたが、2002年にコナミOSAへ再吸収され、2003年には他の開発子会社と合同してコナミコンピュータエンタテインメントスタジオとなりました。その後、2005年にコナミへ吸収され、開発子会社は全て姿を消しました。そして2006年には、事業会社のコナミデジタルエンタテインメントが発足しました。

1997年には、専門学校であるKCEスクール（現・コナミスクール）の本校がコナミ神戸ビルに開校しましたが、現在は閉校し、東京校が本校となっています。また、上月スポーツ・教育財団の神戸事務局も神戸ビル内に置かれていましたが、2007年に東京へ移転しました。現在、ビル自体は宗教法人真如苑の施設として利用されています。

雑記

1986年1月4日に発売されたファミコン用ソフト『ツインビー』の5面の背景には、神戸ビルと形状が酷似したビルが描かれています。ただし、ソフトの発売は同年8月のビル落成前であるため、ビルに描かれているのは旧ロゴの一部（アルファベットの「K」）です。後にディスクシステム版がリリースされた際には、ロゴの部分が神戸ビルの落成と同時にCI戦略の一環として採用された赤とオレンジの矩形マークへ変更されました。

神戸本社時代に開発されたゲームへの影響としては、『スナッチャー』と『スピードキング NEO KOBE 2045』の舞台が2042年・2045年の「ネオ・コウベ・シティ」であることや、『激突ペナントレース2』に登場する「みどりスタジアム」（グリーンスタジアム神戸がモデル）などが挙げられます。また、『パロディウスだ! 〜神話からお笑いへ〜』の2面（ファミコン版を除く）に登場するちちびんたリカの正式名称は「Miss神戸ちちびんたリカ」です。

『ポリスノーツ』ACT1のトクガワビル受付のモニタに流れるトクガワグループ説明の映像には、神戸ビルと形状の酷似したビルが映るシーンがあります。

バンダイナムコエンターテインメントの坂上陽三氏は西宮市出身であり、映像業界からゲーム業界へ転身する際、実家から通勤できるという理由で、当時神戸ビルに本社を置いていたコナミを志望していました。しかし、社名が似ていた当時のナムコに間違えて電話をかけてしまい、そのままナムコに入社したという逸話があります。

所在地・アクセス

〒650-0046 兵庫県神戸市中央区港島中町7-3-2

ポートライナー・中埠頭駅下車、徒歩3分

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