激突ペナントレース

『激突ペナントレース』は、コナミが1988年にMSX2向けに発売した野球ゲームです。メガROMカートリッジで提供され、『THEプロ野球激突ペナントレース』(通称：激ペナ)と、1989年の続編『激突ペナントレース2』(通称：激ペナ2)の2作品があります。

ゲームシステム

両作品とも、チームエディット機能が搭載されており、自由にチームを編成してペナントレースを戦うことができます。ペナントレースは、当時のプロ野球と同様に最大130試合まで行うことが可能です。ただし、記録はチーム成績のみで、個人成績は記録されません。

初期登録チームとして、両作品とも6チームが収録されていますが、これらは実在のプロ野球チームとは全く関係のない架空のチームです。各チームには以下の特徴があります。

KOBE LINES: コナミ本社が当時神戸にあったことにちなみ、選手名には神戸の地名が用いられています。
DARKS (2ではNEO DARKS):
FLYERS: 選手名には「しでんかい」「しゅみっと」など、航空機の名前が採用されています。
BRENDS: 選手名にはコーヒーのブランド名が用いられています。
PROGRAMS: 選手名には「あせんぶら」など、プログラム関連の名前が用いられています。
RIDERS:

THEプロ野球激突ペナントレース

初代『激突ペナントレース』は、MSX2のハードウェア制約により、縦方向のスクロール機能しか備わっていませんでした。そのため、左右への打球時には画面が切り替わる方式が採用されました。この画面切り替えは、慣れるまで打球処理に苦労する要因の一つでした。

投球システムは立体的で、ほぼ全方向に投げることができ、高低の投げ分けも可能でした。また、7回には「ラッキーセブン」として、攻撃側の打力がアップする演出がありました。

激突ペナントレース2

続編の『激突ペナントレース2』では、初代の問題点であった画面切り替えが解消され、MSX2の野球ゲームでは初の全方向スムーズスクロールが実現しました。しかし、グラフィック面では、高速な描画が可能なSCREEN4を使用するようになったため、初代のSCREEN5に比べて多少チープな印象になりました。この変更は、試合時間の短縮にも繋がり、1試合あたり30分以上かかっていた初代に比べ、2では20分程度に短縮されています。

投球システムは平面的なものに変更され、高低の投げ分けはできなくなりました。しかし、得点圏にランナーがいる際には『グラディウス』の1面テーマが、本塁打35本以上の選手が打席に立つ際には元阪神のランディ・バースのテーマが流れるなど、演出面が強化されました。

「ラッキーセブン」の演出も強化され、攻撃側の打力アップに加えて、チアガールのダンスが表示されるようになりました。球場は、「たまごスタジアム」(東京ドームをモデル)と「みどりスタジアム」(グリーンスタジアム神戸をモデル)の2種類が用意されています。

反響

チームエディット機能は大きな反響を呼び、ユーザーが自作したチームデータを出版社に送付し、全国大会が開催されるほどでした。当時MSX専門誌であった「MSXマガジン」や「MSX・FAN」だけでなく、竹書房の4コマ誌「まんがライフオリジナル」でも、「ぼのぼのと野球しよう!」という企画名で大会が開催されました。

投球の高低、応援歌、ファインプレーといった要素は、後のコナミの野球ゲーム『生中継68』や『実況パワフルプロ野球』にも影響を与えました。この作品は、MSX2の野球ゲームにおける重要な作品の一つとして、多くのファンに記憶されています。

関連項目

豊原浩司 - 開発スタッフ
がんばれペナントレース!

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