コナン・ザ・アドベンチャー (アニメ)

『コナン・ザ・アドベンチャー』（原題：Conan the Adventurer）は、作家ロバート・E・ハワードが生み出したヒロイック・ファンタジー小説『英雄コナン』を基にしたアメリカ合衆国のテレビアニメシリーズです。サンボウ・プロダクションが中心となり制作され、アメリカでは1992年9月12日から1993年11月23日にかけて全65話が放送されました。

概要

原作の持つ壮大な世界観を下敷きにしつつも、本作では主人公コナンが若きアドベンチャーとして活躍する姿に焦点を当て、彼のヒーローとしての側面を強調した作風となっています。これにより、より幅広い層が楽しめる冒険活劇として描かれています。当初はアメリカとカナダによる共同制作体制でしたが、シリーズのシーズン2からはフランスと日本に拠点を置くC&Dが制作に加わり、アメリカ、カナダ、フランス、日本、そして韓国を含む5ヶ国による大規模な国際共同制作体制へと移行しました。

また、本作の放送終了後、1994年には続編となる『Conan and the Young Warriors』がアメリカで制作・放送されました。この続編は、制作体制がシーズン1と同様のアメリカ主導・韓国実制作に戻り、物語上の繋がりは薄い独立した内容となっています。

ストーリー

物語の始まりは数年前に遡ります。幼いコナンが祖父と共に山をトレッキングしていた際、彼は空から舞い落ちる流星を目撃しました。墜落現場に散らばった隕石の破片を拾い集め、家に持ち帰ったコナン。鍛冶屋を生業としていた彼の父親は、これらの破片を加工し、「スターメダル」と名付けました。この素材は非常に丈夫で、様々な道具や武器の一部に組み込まれて商売に用いられました。しかし、中でも父親が最高傑作と謳った一振りの剣だけは、地下室の石板に封印され、コナンがその石板を持ち上げる時まで保管されていました。

数年後、蛇の邪神セットを崇拝するスネーク・カルトの最高司祭ラース・アモンは、「スターメダル」に邪神セットを解放する強大な力があることを突き止めます。ラース・アモンはスターメダルを求めて、キンメリアの地に住むコナンの父親に接触を図りますが、父親からスターメダルの在庫は全て尽きたと告げられます。父親の言葉を信じようとしないラース・アモンは激怒し、恐ろしい呪術によってコナンの家族を生きながらにして石の彫像に変えてしまいます。愛する家族が目の前で彫像とされる光景を目の当たりにしたコナンは、地下室に隠されていた剣が納められた石板を力強く持ち上げ、封印されていた剣を手にラース・アモンに戦いを挑みます。しかし、ラース・アモンはコナンを退け、その場から逃走してしまいます。

こうして、邪悪なラース・アモンの野望を阻止すること、そして何よりも家族を元の姿に戻す方法を見つけることを誓ったコナンは、信頼できる愛馬サンダーを相棒に、広大なハイボリア大陸を股にかけた過酷な冒険の旅へと出発するのでした。旅の道中、コナンは様々な出会いと別れを経験し、困難に立ち向かいながら成長していきます。

登場キャラクター

物語には、コナンを取り巻く個性豊かなキャラクターたちが登場します。

ヒーローズ: 主人公のコナンをはじめ、ニードル、ズーラ、ジェズミン、グレイウルフ、スナッグ、ファルケナールといったコナンの仲間たちが、彼の冒険を支えます。
スネーク・カルト: 邪悪なスネーク・カルトには、最高司祭ラース・アモンを筆頭に、彼らが崇拝する蛇の邪神セット、そして部下であるスカルカー、ウィンドファング、ラム・アモンなどが登場し、コナンたちの行く手を阻みます。

スタッフ

本作の制作には、ジョー・バカル、トム・グリフィンらが制作総指揮として名を連ねました。アニメーション制作はAKOMが担当し、シーズン2からは共同制作パートとしてC&Dも制作に参加しています。C&D制作パートの監督は三浦将則や岡部英二らが務め、日本からも多くのスタッフが関わりました。音楽はチェイス/ラッカー・プロダクションが担当しています。

本作は、原作小説の世界観を基盤としつつも、アニメオリジナルの設定やキャラクターを加え、ヒーローとしてのコナンの活躍を強調した、視覚的にも楽しめる冒険ファンタジー作品として描かれています。

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