コハゲコウ

コハゲコウ（小禿鸛）

コハゲコウ（Leptoptilos javanicus）は、コウノトリ目コウノトリ科ハゲコウ属に属する大型の鳥です。この鳥は、特にインドやインドネシア、カンボジア、スリランカ、タイ、ネパール、バングラデシュ、ブルネイ、マレーシア、ミャンマー、ラオスなどの地域に広く分布しています。過去には中国本土でも見られましたが、現在の生息状況は不明または絶滅と考えられています。

形態

コハゲコウは全長約115cmで、目を引く特徴があります。体の上面は緑色の光沢を持つ黒色羽毛で覆われており、下面は純白です。特に注目すべきは、頭部から頸部にかけて羽毛がまばらで、オレンジ色の皮膚が露出している点です。嘴は長く（約28.3cm）、上方に少し反り上がっています。嘴の色は黄色ですが、褐色の斑紋が不規則に入っているのが特徴です。また、喉や頸部の下には袋状の皮膚（喉嚢や頸嚢）が存在しません。後肢は黄褐色や黒い色合いで、歩行の際には特に目立ちます。

生態

コハゲコウは、主に河川、池沼、湿原、マングローブ林、干潟など、水辺の生息地を好みます。また草原や農耕地でも生息することが確認されています。食性は動物食であり、魚類や両生類、爬虫類、貝類などを主に捕食します。繁殖時期には、少数の個体でコロニーを形成し、森林の高木に木の枝を使って巣を作り、卵を産みます。これにより、安全な環境で繁殖できることが可能になるのです。

人間との関係

しかし、コハゲコウは人間の活動により多くの被害を受けています。開発による生息地の破壊や、狩猟などが原因で、その生息数は大きく減少しています。1996年時点では、全世界で7,000羽以下と推定されており、現在でもその数は危機的な状況にあります。

まとめ

コハゲコウは、ユニークな外見と生態を持ち、環境の変化に敏感な種です。彼らの保護に向けた取り組みが求められており、まだ多くの人々にその存在を知ってもらう必要があります。この珍しい鳥を守ることが、生物多様性を維持するために重要なのです。

関連項目

• - コウノトリ科

参考文献

小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社、2000年、79、167頁。

外部リンク

• - IUCN Red List of Threatened Species
• - BirdLife International 2008. Leptoptilos javanicus. In: IUCN 2009. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2009.1.

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