コビア (潜水艦)

コビア (USS Cobia, SS/AGSS-245)

コビアはアメリカ海軍の潜水艦で、ガトー級に属しています。その名前は、温暖な水域に生息するスギの一種に由来しています。この艦艇は、1943年3月17日にコネチカット州グロトンのエレクトリック・ボート社で起工され、1944年3月29日にアルバート・L・ベッカー少佐の指揮下で就役しました。その後、ニューロンドンを出航し、真珠湾に到着しました。

艦歴

第1の哨戒 (1944年6月 - 8月)

コビアは最初の哨戒で小笠原諸島に向かい、7月には数隻の艦艇を攻撃しました。特に、7月6日の夜に発見した特設監視艇を撃沈したことが記録に残っています。その後、硫黄島周辺で未確認艦艇および駆逐艦に遭遇しましたが、魚雷は命中しませんでした。しかし、7月13日に輸送船団を発見し、攻撃を行った結果、海軍徴傭船「大慈丸」を沈める成果を上げました。8月には入るまでの間、他の潜水艦からの情報に基づいて哨戒を続けましたが、新たな目標は見つかりませんでした。

第2、第3の哨戒 (1944年9月 - 1945年1月)

次にコビアは9月に2回目の哨戒に出発し、ウルフパックを組んでの行動を開始しました。しかし、日本軍機の度重なる攻撃により任務は中断を余儀なくされました。11月には生存者を救助する一方、攻撃機会は得られずに帰投しました。さらに1945年1月には、敷設艇「由利島」を撃沈し、日本兵二人を救助しました。

第4の哨戒 (1945年2月 - 4月)

4回目の哨戒中にコビアは事故に見舞われるも、無事に哨戒を再開し、輸送船団を攻撃しました。この際には、護衛の爆撃機の援助による救助活動を行うこともありました。最終的に51日間の行動を終え、スービック湾に帰投しました。

第5、第6の哨戒 (1945年5月 - 8月)

5回目の哨戒ではタイランド湾に向かい、特に「鳥取丸」を攻撃するも、失敗しました。しかし、6月には複数の艦艇に成功を収めました。6回目の哨戒では台湾の支援任務に従事し、終戦を迎えました。

戦後の運用

戦後のコビアはニューロンドンなどを経て、予備役艦としての運用が進められました。1951年には再就役し、訓練艦として利用されました。1960年代には歴史的遺産となり、1970年には除籍されました。その後、マニトワックに曳航され、展示されることとなりました。コビアはその後も多くの部分が良好な状態で保たれ、特に初期型のSJレーダーは世界で最も古いレーダー装置の一つとして評価されています。

戦果と評価

コビアは6度の哨戒を経て、合計4個の従軍星章を受章し、総トン数16,835トンの撃沈戦果を上げました。彼女の歴史はアメリカ海軍の潜水艦部隊の誇りであり、戦争の中での重要な役割を果たしました。

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