コマンダンテ級哨戒艦

コマンダンテ級哨戒艦

コマンダンテ級哨戒艦（イタリア語: Classe Comandanti、英: Commandante class Patrol Ships）は、イタリア海軍における最新の哨戒艦であり、新型小型戦闘艦としても知られるNUMCという計画の一環として設計されています。これらの艦は、特に領海や排他的経済水域を警備するために、主に第1哨戒戦隊司令部（COMSQUAPAT1）に配備されています。

来歴

この艦級の起源は、1987年から1992年にかけて建造されたカシオペア級哨戒艦に遡ります。当初は追加で4隻の建造が計画されていましたが、1991年にその計画はキャンセルされ、新たに設計の艦としてこのコマンダンテ級が提案されました。1998年12月には、1隻あたり1億400万ドルの予算で4隻が正式に発注され、その後建造が進められました。

設計特徴

コマンダンテ級はステルス性を重視した設計がなされており、特に「コマンダンテ・フォスカリ」では、上部構造にガラス繊維強化プラスチック（GFRP）が使用されています。艦の後部には、カシオペア級同様の入れ子式ハンガーが設置されており、小型から中型のヘリコプターを1機収容できる能力を持っています。

兵装面においては、砲熕兵器に限定され、前甲板にはオート・メラーラ社製のコンパット76mm単装速射砲が1基、前部上構両舷側にはエリコンKBA 25mm機関砲が配置されています。特に「コマンダンテ・フォスカリ」に関しては、誘導砲弾に対応した新型の近接防空システム、STRALESの運用試験が行われるため、主砲が射撃指揮レーダーを内蔵したスーパー・ラピッド砲に換装されています。

配備とその他の艦

コマンダンテ級艦は全て第1哨戒戦隊司令部に配備されていますが、後に運輸省向けに準同型艦として、低出力の主機関を搭載し主砲を省いたシリオ級（イタリア語: Classe Sirio）が建造されました。このシリオ級はステルス設計がなされていないものの、乗員は海軍軍人であり、指揮系統は第2哨戒戦隊司令部（COMSQUAPAT2）に所属しています。

関連艦級

コマンダンテ級の設計や運用思想は、他国の同種艦艇とも共通するものがあります。例えば、フランス海軍のフロレアル級フリゲートや、オランダ海軍のホラント級哨戒艦、デンマーク海軍のクヌート・ラスムッセン級哨戒艦などが挙げられます。これらの艦艇もまた、国の安全保障と海洋秩序維持に寄与するため、各国で活躍しています。

もう一度検索