コミジャ

クロアチア、ヴィス島の宝石：コミジャ

コミジャは、クロアチアのヴィス島に位置する美しい小都市であり、その魅力的な景観と豊かな文化で多くの人々を魅了しています。人口は約1,700人ほどのこの町は、アドリア海の真珠とも呼ばれ、訪れる人々に忘れられない体験を提供します。

地勢と気候

コミジャは、クロアチア本土から約50km離れたヴィス島に位置し、中央ダルマチアの沿岸から最も遠い場所にあります。標高587mのフム丘陵の麓に位置し、温暖な地中海性気候に恵まれています。1月の平均気温は8.9℃と比較的温暖で、夏は涼しい風が吹き、クロアチアの中でも最も穏やかな気候です。年間降水量は約750mmで、飲料水は自然の源泉から得ています。

歴史と文化

コミジャの歴史は古く、12世紀にはその名が記録に登場します。1585年には港に城砦が築かれ、町の防衛を担いました。13世紀には、ベネディクト会修道士によって聖ニコラス修道院が設立され、ロマネスク建築の教会と半円形のアプスは今もその美しい姿を保っています。14世紀から17世紀にかけては、大きな5つの身廊を持つ教会が建てられ、16世紀には中央の身廊が、1652年からはバロック様式の教会が建設されました。教会の塔は1770年に鐘楼へと姿を変え、歴史の重みを感じさせます。

聖母グサリツァ教会は、3つの身廊が内部のアーチで繋がった特徴的な教会です。最も古い中央の教会は16世紀に遡り、両サイドの教会はそれぞれ17世紀と18世紀に建てられました。教会内部には、1670年からのバロック様式の祭壇やオルガン、17世紀の銀の聖女ロザリーのレリーフなど、貴重な美術品が数多く残されています。

聖ロコ教会は1763年に建てられた城砦教会で、新教会は1756年に遡ります。20世紀には、建築家A. Bezicの尽力により、アール・ヌーヴォーの建物が建てられるようになりました。

経済と観光

コミジャの経済は、農業、ワイン醸造、漁業、魚介の加工、養殖、そして近年では観光業が基盤となっています。特に観光業は急速に発展しており、美しいビーチや質の高い宿泊施設、新鮮な海産物などが観光客に提供されています。また、コミジャはワインの産地としても知られており、地元のワインを楽しむことができます。

コミジャは、ビシェヴォ島へのアクセス拠点としても知られており、毎年多くの観光客が青の洞窟を訪れます。その他にも、13世紀からの聖ニコラス修道院、16世紀からのヴェネチア様式の城砦、バロック様式の教会など、見どころが満載です。ヨゼ・ボルツィ国際バレエ学校の本拠地でもあり、夏には生徒たちによるバレエやダンスが披露されます。また、毎年開催される「漁夫の夜」では、花火大会や伝統的な食事、土産物などが楽しめます。

コミジャは、美しい自然、豊かな歴史、そして温かい人々が織りなす魅力的な場所です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。

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