コミックゲーメスト

コミックゲーメスト

『コミックゲーメスト』は新声社が1993年から1997年まで発行していた漫画雑誌で、アーケードゲームを題材にしたコミカライズが主な内容となっていました。創刊当初、同社のアーケードゲーム雑誌『ゲーメスト』の別冊として隔月刊として発行されていましたが、後に第5号で独立し、月刊誌となりました。

この雑誌の執筆陣は、新人漫画家が多く、主に同人誌の出身者から構成されていました。しかし、その漫画のクオリティは決して低いものではなく、『週刊少年サンデー増刊号』などの影響を受けた作品が多く見られました。掲載される作品は、ゲームをベースにしたものが中心でしたが、オリジナル作品も数多く存在しました。

ただし、アーケードゲームの人気や新作の頻繁なリリースにより、月刊誌形式は厳しい制約となりました。多くの作品は、ゲームの稼働時期とはズレが生じ、人気を獲得する機会が減少しました。そのため、未完に終わったり、休載となる作品が多く見受けられました。

また、休刊号では新しいゲームコミック雑誌の予告があり、幾つかの連載がそちらに引き継がれることが報告されましたが、最終的には新声社自体が倒産し、計画は実現しませんでした。

掲載作品の例

『コミックゲーメスト』に掲載された作品には、次のようなものがあります。

• - アンダーカバーコップス（古葉美一）: 世界を救った後の貧乏生活を描くギャグ漫画。
• - VAMPIRE HUNTER（藤田丈士）: アクション要素の強いダークファンタジー。
• - 餓狼伝説シリーズ: ゲームに基づいた漫画が続編をもって展開。
• - 豪血寺一族（貴城輝）: オリジナルストーリーを展開するシリアスな作品。
• - 鉄拳2（式田典史）: 格闘ゲームのキャラクターを元にした冒険が描かれます。
• - さくらがんばる!（中平正彦）: 『ストリートファイターZERO』の続編で、さくらの成長を追った物語。

これらの作品の中には、ゲーム本来のストーリーをアレンジしたものや、オリジナルのキャラクターを用いた内容が含まれています。特に、ストーリーやキャラクターの設定に関しては原作から大きく逸脱しているものもあり、それにより一部からは賛否も巻き起こりました。

未完の作品と企画の中止

『コミックゲーメスト』では、プロジェクト途中の段階で中止された企画や、未完に終わった連載も多数存在しました。例えば、サムライスピリッツ（車田正美）やヴァンパイアセイヴァー（三部敬）など、期待された作品も途中で行き詰まり、正式に連載を開始することなく終わりました。
これは、雑誌の休刊や新声社の経営不振といった背景が影響したためと考えられます。

最後に、『コミックゲーメスト』は、短命であったものの、アーケードゲームの文化を盛り上げる一端を担った重要な雑誌であったと言えます。それぞれの作品が持つ独特な魅力と幅広いジャンルは、今でも多くのファンに記憶されています。

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