新声社

株式会社新声社について

株式会社新声社は、日本において主にアーケードゲーム関連書籍を発行していた出版社です。1971年に設立され、学習参考書を初めとする出版活動を行いましたが、1986年にアーケードゲーム専門誌『ゲーメスト』を創刊したことから、ゲーム関連の出版社として広く認知されるようになりました。以降、新声社はゲームプレイヤーたちに支持され、対戦格闘ゲームのブームを背景に、その出版物の部数を大きく伸ばしました。

新声社は、『コミックゲーメスト』や様々なゲーム関連書籍の発行を手がける一方で、ゲームキャラクターグッズ専門店「マルゲ屋」を展開し、自社ビルにはゲームセンターも併設する多角経営を推進しました。しかし、経営の行き詰まりや放漫経営が影響し、最終的には1999年9月6日に事業を停止。倒産に至ることとなりました。負債総額は約25億円に達し、関連の子会社も連鎖して倒産しました。

倒産の原因

倒産の理由としては、経営陣の構成が一族内で占められていたことや、流行のトレンドを見誤ったことが挙げられます。特に、創刊当初の『ゲーメスト』は高い質の攻略記事を掲載し、吠えるような成功を収めていましたが、次第に新たな編集者が加入したことで記事の質が低下し、従来の読者の支持を失う結果となりました。特に、対戦格闘ゲーム以外のコンテンツに対しては消極的な姿勢を取っていました。

また、1990年代半ばからコンビニエンスストアでの販売に乗り出しましたが、販売量の予測を誤り、返品率が急上昇し、利益を圧迫しました。さらに、業界への理解不足や、重要な賞のスピーチにおいて誤った情報を発信したことは、経営者の無知を露呈させました。他社との連携機会を逃したことも倒産の一因となりました。

倒産後の再編成

倒産後、新声社の編集者やライターの多くは他社に移籍しました。特にエンターブレインへ移った多くの人材は、『ゲーメスト』の成功・人気を受け継ぎ、アーケードゲーム専門誌『アルカディア』の初期には、旧新声社の特徴が色濃く残された誌面作りがなされました。また、新声社の倒産はアダルトゲームブランド・アボガドパワーズにとっても影響を及ぼし、同社の経営にも打撃を与えました。

出版物とメディア

新声社は、ゲーム関連雑誌『ゲーメスト』、漫画雑誌『コミックゲーメスト』、一般ゲーム情報誌『ゲームNAVI』など、多数の出版物を手がけました。また、学習参考書やデジタル書籍もリリースしており、アーケードゲームファンや学習者に親しまれる存在でした。さらに、ラジオ番組のスポンサーとしても活動しており、国府田マリ子の「GAME MUSIUM」などでその名を知られました。

現在では、新声社の事業は過去のものとなっていますが、その影響力や文化的貢献は、日本のゲーム出版界において今もなお一部の人々に記憶されています。

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