コミック・ブック

コミック・ブックとは

コミック・ブックは、主にアメリカで出版される漫画を書籍化したものです。日本の漫画[[雑誌]]とは異なり、薄い冊子形式で、通常は月刊で発行されます。英語の「comic（滑稽な）」という言葉から、ユーモラスな内容を想像しがちですが、実際にはドラマティックでシリアスな作品も数多く存在します。

出版形態

コミック・ブックの多くは、レギュラー・シリーズと呼ばれるもので、中綴じ製本で32ページ程度の薄い月刊誌として発行されます。この形態は、「リーフ」とも呼ばれます。1冊のリーフには、基本的に1つのタイトルのみが22ページ前後掲載され、残りのページには広告や読者からの投稿などが含まれます。日本の漫画のように、複数の連載作品が1つの雑誌に掲載されることはありません。

人気のあるエピソードは、トレード・ペーパーバックという形で1冊の本にまとめられることもありますが、日本の単行本のように全てのエピソードが書籍化されるわけではありません。ほとんどのコミック・ブックはフルカラー印刷で、初期の単純な彩色から、現在ではコンピューターによる無階調の彩色が主流となっています。

作画は、ペンシラー（下絵）、インカー（ペン入れ）、カラーリスト（彩色）、レタラー（文字入れ）といった分業体制で行われることが一般的です。

著作権

作品やキャラクターの著作権は、慣例として出版社に帰属します。このシステムは、同じキャラクターを複数のアーティストが描き継ぐことを可能にし、長年にわたって同じキャラクターを使用したり、異なる作品のキャラクター同士をクロスオーバーさせたりすることを容易にします。

しかし、このシステムには、アーティストが本来得るべき権利が損なわれたり、作品の作家性が失われたりするという欠点もあります。特に有名なのは、『スーパーマン』の作者であるジョー・シャスターとジェリー・シーゲルの事例です。彼らは1947年に、DCコミックスに対して利益配分を求めて裁判を起こした結果解雇され、その後30年間、『スーパーマン』に対する権利を主張できませんでした。1992年には、マーベル・コミックの看板作家7人が独立し、アーティストに著作権が帰属するイメージ・コミックを設立しました。

その他

コミック・ブックは、アメリカの漫画文化を語る上で欠かせない存在です。その歴史は古く、様々なジャンルやスタイルが存在します。

また、コミック・ブックから派生した映画やテレビドラマなどのメディアミックスも盛んに行われており、世界中の多くの人々に親しまれています。

関連する項目として、ファニーズ・オンパレード（コミックブックの原型とされる出版物）、コミック・ストリップ、バンド・デシネ（フランス語圏の漫画）、グラフィックノベル、スーパーヒーロー、漫画作品一覧などがあります。

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