コミュニケーションパル

コミュニケーションパルとは

コミュニケーションパル（通称：コミパル）は、シャープがかつて製造・販売していた携帯情報端末（PDA）の商品名です。1990年代後半に、電子メール機能に特化した端末へのニーズの高まりを受けて開発されました。

開発の背景

当時、NTTドコモが発売した「ポケットボード（シチズン製）」が電子メールの送受信に特化した端末としてヒットしました。これを受け、シャープは既に男性サラリーマン向けの携帯情報端末「ザウルス」を展開していましたが、より幅広い層、特に女性をターゲットとした「誰でも簡単に使える情報端末」としてコミュニケーションパルを開発しました。

製品の特徴

コミュニケーションパルの主な特徴は以下の通りです。

ターゲット層: 女性をメインに、情報端末初心者でも扱いやすい設計。
OSと[CPU]]: ZaurusOSを搭載し、CPUには32bit [[RISC]を採用。
ディスプレイ: 3.9インチのモノクロ16階調液晶ディスプレイ（320x240ドット）を搭載。
キーボード: QWERTY配列のキーボードを搭載。
操作: タッチペンによる操作が可能。
インターネット接続: 携帯電話とケーブルで接続することでインターネットに接続可能。内蔵ブラウザでWeb閲覧（HTML3.2準拠）ができました。
メール機能: インターネットメールと10円メールの作成・閲覧が可能。
その他機能: 電卓機能、時計機能、アドレス帳機能、スケジュール管理機能を搭載。
拡張性: ザウルス同様の追加ソフト「Moreソフト」が利用可能。
電源: 単三乾電池2本で駆動。

シリーズ展開

コミュニケーションパルは、「MT-200」とその改良版である「MT-300」の2つのシリーズのみが発売されました。当初、対抗機として意識されたポケットボードが12,800円という低価格であったのに対し、コミュニケーションパルは38,800円と高価格であったため、売れ行きは伸び悩みました。なお、NTTドコモ向けにはOEM製品として「ブラウザボード（モノクロ液晶版）」が発売されています。

モデルごとの詳細

MT-200: 1998年11月発売。ホワイトパール色のみ。各社PDC方式デジタル電話に対応し、専用アダプタが付属。定価は38,800円（実売29,800円程度）。
MT-200A: 1999年2月発表。コズミックブルー色。機能はMT-200と同様。
MT-300: 1999年9月発表。対応携帯電話はcdmaOne以外のPDC方式デジタル、PHS、ドッチーモで、それぞれ専用アダプタが付属。Cookie及びSSL通信に対応。ハニーオレンジ（MT-300D）とプラチナシルバー（MT-300S）の2色展開。
MT-300C-A: 1999年12月発表。対応携帯電話はcdmaOneのみ（別売りアダプタでPHSとの接続も可能）。

関連項目

* NetWalker: シャープが後に発売したモバイル端末。

コミュニケーションパルは、その後のスマートフォンの登場により、市場から姿を消しましたが、特定のニーズに応える情報端末として、その存在を記憶されるべきでしょう。

もう一度検索