コミュニティーエンジン

コミュニティーエンジン株式会社の概要

コミュニティーエンジン株式会社（Community Engine Inc.）は、主にネットワーク技術を基盤とした様々な事業を展開していた企業です。スクウェア・エニックスグループに属し、創立当初からその目的として「人間の遊び心と創造性を、引き出し、組み合わせ、増幅する術を開発すること。」を掲げていました。しかし、2010年9月30日の株主総会において、解散が決定しました。

また、中国においても子会社を設立していましたが、2007年に解散しています。このように、国内外での展開を試みた企業でしたが、最終的に解散という結果となりました。

事業内容

コミュニティーエンジンの事業内容は多岐にわたりましたが、特に以下の三つの分野が主な焦点として挙げられます。

1. VCE（Virtual Community Engine）

VCEは、オンラインアプリケーションの開発を支援するミドルウェアです。このソフトウェアは、2007年に「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー（SPOTY）」のシステム・基盤部門で受賞しています。VCEを活用することで、開発費用を約100人月も削減できると言われており、多くのアプリケーションに実際に採用されていました。正式な最新バージョンはVCE 2.1.0であり、ユーザーはCommunity Engine Plusから無料評価版をダウンロードすることが可能でした。

主な利用作品には、「疾走、ヤンキー魂。」や「コンチェルトゲート」、さらには「信長の野望Online」など、多彩なオンラインゲームが含まれています。

2. World Synthesizer

World Synthesizerは2008年にリリース予定のネットワークゲーム開発のために設計されたミドルウェアです。このシステムは、通信部分に注力していたVCEとは異なり、ネットワークゲームに特化した統合的な開発環境を提供しています。
このミドルウェアの最大の特徴は、異なるプラットフォーム間のネットワークゲームを容易に構築できる点にあります。機能はコンポーネント単位で分かれており、開発者は必要に応じて最適な部品を組み合わせることができるのです。ブランド名の由来は、代表取締役である中嶋謙互氏の提案した「ワールドシンセサイザー」に由来すると考えられています。

3. gumonji

gumonjiは、コミュニティーエンジンが開発・運営していた環境シミュレーターで、オンラインゲームとしても分類されています。このシミュレーターは、「いじれてつながるダイナミックな環境シミュレーター」というキャッチコピーで知られ、多くのユーザーに親しまれました。このプラットフォームでは、ユーザーが自由に環境を操作し、他者とつながることができる仕組みが提供されていました。

まとめ

コミュニティーエンジン株式会社は、クリエイティブなアプローチを重視する企業としてネットワーク技術を駆使した事業展開をしましたが、様々な挑戦の末に解散を迎えました。本社の開発したミドルウェアは、今もなおネットワーク関連の開発プロセスに影響を及ぼしており、それらの技術は後の世代の開発者たちにも引き継がれています。

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