コミ共和国

コミ共和国

コミ共和国（コミきょうわこく、コミ語: Коми Республика; ロシア語: Республика Коми）は、ロシア連邦中北部に位置する共和国で、その首都はスィクティフカルです。この地域は北西[[連邦管区]]に属し、広大な自然環境と独自の歴史を持っています。

地理

コミ共和国は、ウラル山脈の西側に位置し、東ヨーロッパ平原の北東部に広がっています。西北部はティマン山脈と接し、地形は一部が高地、また広大な森林地帯で覆われています。全体の面積は約415,900平方キロメートルに達し、その70%以上を広大なタイガが占め、約15%は沼地です。また、ウラル山脈北部には、ヨーロッパ最大の原生林であるツンドラが広がり、これはユネスコの世界遺産に登録されています。この地域は北にネネツ自治管区、東にヤマロ・ネネツ自治管区、南にペルミ地方と隣接しており、主要な河川にはペチョラ川とその支流のヴィチェグダ川があります。

歴史

19世紀から20世紀初頭にかけて、多数の入植者がこの地域に移住しました。特に、多くの囚人が北方の開発労働力として送られました。1921年にコミ・ジリャン自治州が設立され、1936年にはコミ自治ソビエト社会主義共和国に昇格し、1992年からはコミ共和国として独立した行政単位となっています。2016年には、深刻な炭鉱事故が発生し、多くの命が失われる悲劇もありました。

政治

現首長は2020年に就任したウラジーミル・ウイバであり、同地域の政治の中心的存在です。首相相当職は1994年に廃止されたものの、2014年には政府議長が設けられ、現在、その役割はラリサ・マクシモワが担っています。

経済

コミ共和国は、石炭、原油、天然ガス、金、ダイヤモンドといった豊富な天然資源に恵まれています。これらの資源は地域の主要な産業である石油精製、木材加工、電気工業の基盤となっています。

交通

交通網は発達しており、鉄道が主要な物流ルートを担っています。特に、コトラス・ヴォルクタ・サレハルドを結ぶ路線は重要です。また、ヴィチェグダ川やペチョラ川も河川交通に利用されています。スィクティフカル、ウフタ、ヴォルクタには空港も設置されています。

主な都市

主要な都市としては、首都のスィクティフカルをはじめ、ウフタ、ヴォルクタ、ペチョラ、ウシンスクといった都市があります。これらの都市が地域の中心的な機能を果たしています。

住民

2021年には、コミ共和国の人口は737,853人に達しました。その民族構成は、69.7%がロシア人で、22.3%はフィン・ウゴル系のコミ人です。その他、ウクライナ人、タタール人、ベラルーシ人などがいます。都市部には77.5%の人口が集中しており、人口密度は非常に低く1.77人/km²となっています。

言語と宗教

公用語はコミ語とロシア語であり、多様な文化が共生しています。住民の多くはロシア正教徒であり、宗教的な伝統が色濃く残っています。

気候

地域の気候は寒冷で、1月の平均気温は南部で-17℃、北部で-20℃、夏の7月には南部で+15℃、北部で+11℃となります。年間の平均降水量は625mmです。

このように、コミ共和国はロシアの中でも特有の魅力を持つ地域であり、その亜寒帯の自然環境と歴史的背景が人々の生活様式に影響を与えています。

もう一度検索