コミ語

コミ語（コミ・ジリエーン語、コミ・ペルミャク語）

コミ語は、フィン・ウゴル語派ペルム諸語に属し、ロシア連邦のコミ共和国およびペルミ地方に居住するコミ人によって話されています。コミ・ペルミャク語（ペルミャク方言）もコミ語の一種として扱われます。

歴史

コミ語の起源は紀元前800年頃に遡り、コミ人がカマ川上流域へ移動した際に、ペルム祖語がウドムルト語とコミ語に分かれて成立したと考えられています。フィン・ウゴル語派の中では、ハンガリー語に次いで2番目に古い記録を持つ言語であり、1000語もの базовых 単語がフィン・ウゴル祖語から受け継がれています。現代においても、ウドムルト語との語彙的な共通点が多く、コミ語の基本的な語彙の約80%はウドムルト語にも見られます。また、歴史的なコミ人と周辺民族との交流を通じて、イラン語派、古代チュヴァシ語、ヴェプス語、カレリア語、ロシア語など、様々な言語から借用語を取り入れてきました。

コミ語には複数の方言が存在し、コミ・ジリエーン語とコミ・ペルミャク語の分離は14世紀から15世紀頃と推定されています。

方言

コミ語は、大きく分けて以下の3つの方言群に分類できます。

コミ・ジリエーン語 (Komi-Zyryan): コミ共和国で話される основное 言語であり、狭義にはこの方言をコミ語と呼びます。話者数は約32万7000人です。さらに以下の地域的な方言に分けられます。
北部方言
ヴィム方言
イジマ方言
ペチョラ方言
中部方言
ウドラ方言
下ビチェグダ方言
中ビチェグダ方言
上ビチェグダ方言
南部方言
中スィソラ方言
ルザ・レトカ方言
上スィソラ方言
コミ・ペルミャク語 (Komi-Permyak): コミ・ペルミャク管区で話され、話者数は約15万1000人です。以下の2つに大別されます。
北部方言（北部ペルミャク方言）
南部方言（南部ペルミャク方言）
コミ・ヤズヴァ語 (Komi-Yazva): コミ・ペルミャク管区東部のヤズヴァ川流域で、約4000人によって話されています。東部ペルミャク方言とも呼ばれます。

これらの方言間の главные 差異は音声的なものですが、コミ・ジリエーン語とコミ・ペルミャク語は、異なる言語として扱われることもあります。しかし、言語学的には同一言語の方言と見なされることが一般的です。特に、"Л" と "В" の交替の有無が方言を区別する重要な要素となっています。例えば、コミ・ジリエーン語の南部方言や上ビチェグダ方言の一部、ペチョラ方言の一部、北部ペルミャク方言、コミ・ヤズヴァ方言では、語中の "Л" が сохраняется されます。一方、コミ・ジリエーン語の中部方言（上ビチェグダ方言の一部を除く）では、音節 начальный の "Л" 以外は "В" に置き換えられ、南部ペルミャク方言ではすべての "Л" が "В" に置き換えられます。また、コミ・ジリエーン語の北部方言（ペチュラ方言の一部を除く）では、先行する母音が長音化する現象が見られます。

コミ・ジリエーン語とコミ・ペルミャク語は、それぞれ独立した標準語と文語を持っていますが、コミ・ヤズヴァ語は文字を持ちません。コミ・ジリエーン語の文語は中ビチェグダ方言を、コミ・ペルミャク語の文語は南部方言を基礎としています。14世紀には下ビチェグダ方言を基にした文語が存在しましたが、廃れてしまい、現在使用されている文語はロシア革命後に разработана されました。コミ・ペルミャク語の文語では、意図的に "Л" と "В" の交替が行われています。

文字

コミ語の文字は、14世紀後半にキリスト教宣教師のペルムの主教ステファン（ステファン・ペルムスキー）によって考案されたアブル文字が最初です。アブル文字は、キリル文字とギリシア文字を基に改変されたもので、宗教書の筆写などに用いられていましたが、18世紀には使用されなくなりました。1930年代初頭にはラテン文字への変更が検討されましたが、最終的にはロシア語のキリル文字に "І" と "Ӧ"（ダイエレシス付きО）を加えた文字が使用されるようになりました。

音韻

子音

（子音表は省略）

母音

（母音表は省略）

音価上、/ɨ/ は [ɯ̈]、/a/ は [ä] に近い音です。母音の異音は前後の子音によって многообразный ですが、異なる母音と混同されることはありません。

脚注

（脚注は省略）

参考文献

（参考文献は省略）

関連項目

コミ人
コミ共和国
ペルミ地方

外部リンク

Ethnologue report for language code kom （英語） - エスノローグ
Ethnologue report for language code kpv （英語） - エスノローグ
Ethnologue report for language code koi （英語） - エスノローグ

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