コランディア

コランディア：競走馬としての平凡から、繁殖牝馬としての伝説へ

1958年生まれのイギリス産牝馬コランディアは、競走馬としては目立った活躍はありませんでした。フランスで2戦をこなしたものの、勝利を掴むことができず、早々に引退、繁殖入りすることになります。しかし、彼女の人生、いや、正確には血統における物語は、ここから始まったと言えるでしょう。

フランスで2頭の仔を産んだ後、1966年に日本へ輸入されました。北海道浦河町の鎌田牧場で繋養され、そこで新たな人生を歩み始めます。多くの繋養先に恵まれた馬は数多く存在しますが、この地で、コランディアは自身の能力を遺憾なく発揮することになるのです。

転機となったのは、1972年。インディアナとの間に生まれた4番仔、ベルワイドが天皇賞（春）を制覇したのです。この勝利は、コランディアの繁殖牝馬としての潜在能力の高さを証明する、大きな出来事でした。その後も、コランディアは優秀な仔を次々と産み出していきます。アイアンリージとの間に生まれたヒカルカマタ、チャイナロックとの間に生まれたヤヨイカマダは、競走馬としては大きな成果を残せませんでしたが、繁殖牝馬として活躍。その子や孫から数多くの重賞勝ち馬が輩出されることになります。

特にヤヨイカマダの血統は、コランディアの系譜における重要な部分を担いました。2008年にはヤヨイカマダの玄孫にあたるリトルアマポーラがエリザベス女王杯を制し、さらに2023年にはヤヨイカマダの子孫であるファストフォースが高松宮記念を制覇するなど、その影響力は現代の競馬シーンにまで及んでいます。

コランディア自身は、9頭の仔を残して1977年7月にその生涯を終えました。競走馬としては平凡な成績に終わった彼女ですが、繁殖牝馬として残した功績は計り知れません。彼女の血を受け継いだ馬たちは、日本競馬の歴史に数々の栄光をもたらし、コランディアは名実ともに、日本競馬における伝説的な繁殖牝馬としてその名を刻むことになったのです。

コランディアの血統は、多くの優秀な競走馬を生み出し続け、その影響は現在も競馬界に色濃く残っています。競走馬としての成功とは別の形で、コランディアは競馬界に大きな貢献を果たしたと言えるでしょう。彼女の系譜は、これからも日本の競馬を彩り続けるに違いありません。 彼女の物語は、競走馬としての成功だけが全てではない、血統の偉大さを改めて教えてくれる、感動的なものです。

主要なファミリーライン（例）

ベルワイド（天皇賞(春)）
リトルアマポーラ（エリザベス女王杯）
* ファストフォース（高松宮記念）

※ 記載されているファミリーラインは例示であり、コランディアの子孫はこれ以外にも多数存在します。詳細な血統表については、牝系検索αなどのサイトを参照ください。

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