コルシカ独立戦争

コルシカ独立戦争

コルシカ独立戦争は、1729年12月に始まり、1769年6月まで続いた、コルシカ島における40年間にわたる独立を求める闘争です。この戦争は、農民の反乱から始まり、地域の権力関係や周辺諸国の干渉に対する抵抗が繰り広げられました。特に啓蒙思想家ジャン＝ジャック・ルソーがコルシカ島を「ヨーロッパで唯一、立法可能な国」と称賛したことから、コルシカ革命とも言われています。

背景

コルシカ島は地中海に位置し、歴史的に多くの侵略者に目をつけられてきました。1195年にジェノヴァ共和国が島を植民地化すると、サン・ジョルジョ銀行の影響下で5世紀以上にわたり支配されました。この支配の下、コルシカの人々は徐々に自身のアイデンティティを形成しましたが、地域ごとに異なる文化圏が存在し、団結を難しくしました。

16世紀には、フランスとオスマン帝国による連合軍がコルシカ島に上陸し、ジェノヴァは抵抗の手をこまねいていました。このことが、コルシカ人の反乱を生む土壌となりました。1564年にはサンピエーロの乱が勃発し、初の反抗が行われましたが、長期化することはなく終息しました。

1729年からの農民反乱

1729年、コルテで燃え上がった農民の反乱（第2次蜂起）は、徴税をめぐる小さなトラブルが契機となりました。これが引き金となり、コルシカの人々は遂に立ち上がり、バスティアでの略奪から始まる紛争が40年間続くこととなりました。

反乱側は自治組織を作り、1730年には革命評議会を招集して民意を反映した交渉を行い、一定の譲歩を勝ち取ります。しかし、国王が存在せず、外部からの支援がない中、指導者を求める声が高まりました。1736年、テオドール・ド・ノイホフがコルシカの国王として迎えられるものの、すぐに失望し、国を去ります。

フランスの干渉とコルシカ共和国

1737年、フランスがコルシカ島への干渉を決定しましたが、最初の干渉は失敗に終わります。その後、フランス軍は再度コルシカ島に派兵され、次第にコルシカの指導者たちは捕れられ、コルシカの独立運動に大きな影響を及ぼします。しかし、1740年のオーストリア継承戦争が勃発すると、フランスはコルシカへの関心を失いました。

1746年から1751年にかけて、コルシカの人々は再び蜂起（第3次蜂起）して自由を求めました。その中でパスクワーレ・パオリが再登場し、1775年には憲法草案を承認させ、コルシカ共和国を宣言しました。しかし、1768年のヴェルサイユ条約により、ジェノヴァはコルシカをフランスに譲渡します。

フランスによる併合

1770年、フランスはコルシカを正式に併合し、以降はフランス領となりました。総督マルブフ伯爵は、宥和政策を進め、コルシカ人をフランス側に取り込もうとしました。その結果、コルシカの人々は次第にフランス文化の影響を受けるようになります。

特に、ナポレオン・ボナパルトの父親がフランス側に転向したことで、のちにナポレオン自身がフランス国籍を持ち、フランス本土での貴族士官学校へ入ることを許される道が開かれていきました。これは後のヨーロッパの歴史を大きく変える出来事につながることになるのです。

歴史的には、コルシカ独立戦争は、アイデンティティを模索する中でのコルシカ人の苦闘を象徴し、コルシカを取り巻く国際政治の変遷の中で独立への希望と挫折の物語を語ります。今でもその影響は、コルシカの人々によって記憶され続けています。

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