コルト9mmSMG

コルト9mmSMGについて

コルト9mmSMG（Colt 9mm SMG）は、コルト社が開発した短機関銃で、M16小銃（AR-15）を基にした設計が特徴です。その外観は、M16小銃のカービンモデルであるコルト・コマンドーに非常に似ていますが、いくつかの重要な違いも存在します。特に、9x19mmパラベラム弾を装填するためのスリムな専用箱型弾倉や、排莢口の大型デフレクタなどが挙げられます。また、作動方式には標準的なM16系小銃で用いられるリュングマン式ガス圧作動方式を廃止し、クローズドボルト・ブローバック作動方式を採用しています。

操作方法は、おおむね従来のM16系小銃と共通しており、M16系小銃の使用経験者であれば、新たに複雑な訓練を受ける必要はありません。特に、分解に特別な工具が必要としない点もM16シリーズと共通しています。

歴史的背景

1980年代初頭、短機関銃市場において西ドイツ製のH&K MP5が支配的であり、コルト社はこの市場への参入を決定しました。法執行機関が求める、低威力の拳銃弾を用いる短機関銃のニーズに応えるため、コルト社は新たな製品の開発に着手しました。このプロジェクトは、技師のヘンリー・タトロの下で進められ、M16小銃のレイアウトを踏襲することが決定されました。

当初はオープンボルト方式で設計されていましたが、暴発のリスクや射撃精度の問題から、この設計は見直されました。最終的にはクローズドボルト・ブローバック方式が採用されることとなり、ボルトやボルトキャリアの設計が再考されました。ボルト後端にはウェイトが追加され、不意の暴発を防ぐための工夫が施されています。

特徴と設計

コルト9mmSMGのアッパーレシーバーは、コルト・コマンドーと似ており、ボルトフォワードアシストは設けられていません。ロアレシーバーはM16系小銃のものとほぼ同様ですが、発射速度の調整が可能な新型バッファが開発されています。また、ハンマーピンやトリガーピンには十分な強度を持つステンレス鋼が使用されています。

この短機関銃は、ウージー・サブマシンガンを基にした弾倉が設計され、20連発と32連発の2種類が存在し、主にMetalform社が製造を担当しました。1985年には、R0635として初めて市場に出回り、その後各種の派生型が開発されていきました。

さまざまな派生型

コルト9mmSMGには、R0635とR0639と呼ばれる2種類のモデルがあり、それぞれ異なるセレクティブファイアー・トリガーグループを備えています。特にR0635は広く流通しており、銃身の長さや携帯性、折りたたみ式の銃床などが特徴です。また、セミオートモード専用の民生用モデルもいくつか存在しています。

現在の使用

コルト9mmSMGは、世界中の法執行機関で広く使用されています。アルゼンチン陸軍やアメリカの法執行機関、特に麻薬取締局や連邦保安官などが運用しており、信頼性や操作性の評価が高いのが特徴です。

この短機関銃は、特に近接戦闘や市街地での運用に適しており、軽量で取り回しやすい設計が施されています。

結論

コルト9mmSMGは、M16小銃を基にしながらも独自の課題に対応した短機関銃として、多くの法執行機関に支持されてきました。将来的にも、この武器の運用や改良が続けられることでしょう。

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