コルニエツタヤ

コルニエツタヤ

コルニエツタヤは、福島県福島市の福島駅前にかつて存在した商業施設です。当初は百貨店として開業し、後にテナント型のファッションビルへと姿を変え、多くの人々に利用されました。

百貨店としての誕生

そのルーツは、1882年（明治6年）に現在の福島県郡山市で創業した呉服店にあります。この呉服店を源流とするツタヤ百貨店が運営主体となり、1958年（昭和33年）に福島市に進出して百貨店として開店しました。当時の福島市には、中合や後にさくら野百貨店となる山田百貨店がありましたが、ツタヤ百貨店はこれらに続いて3番目の百貨店として開業しました。

開業後は順調に業績を伸ばし、1965年（昭和40年）には年商10.1億円（売場面積3,210m²）を記録しました。これは、山田百貨店の年商8.5億円（売場面積4,016m²）を上回るものでした。最大手の百貨店であった中合の年商24.5億円（売場面積7,028m²）には差をつけられたものの、福島市内で2番目の規模を持つ百貨店としての地位を確立しました。

ファッションビルへの転換

しかし、1970年代に入ると、競合店の動きが活発化します。1971年（昭和46年）9月、ライバルである中合が大幅な売場面積の増床計画を打ち出しました。これに対抗するように、もう一つの競合店である山田百貨店も、新たな中合に隣接するビルへの移転と増床を進め、1973年（昭和48年）3月にその計画が承認されました。この結果、両店とも1973年（昭和48年）11月には福島駅前で新装開業を迎えることになりました。

こうした競争環境の変化に対応するため、ツタヤ百貨店は大胆な業態転換を決断します。1974年（昭和49年）5月24日、百貨店からテナント形式のファッションビルとして「コルニエツタヤ」と名称を改めて新装開店しました。従来の百貨店が中高年層を主なターゲットとしていたのに対し、コルニエツタヤは若者層に焦点を絞り、そのニーズに合わせたテナント構成としました。トレードマークには、さくらんぼをあしらった看板が掲げられ、最盛期には40店舗以上のテナントが入居し、賑わいを見せました。

閉鎖とその後

しかし、中心市街地の空洞化など、時代とともに商業を取り巻く環境は厳しさを増していきました。運営主体であるツタヤ百貨店は経営が悪化し、13億円もの負債を抱え、2002年（平成14年）11月5日に福島地方裁判所から破産宣告を受けました。これに伴い、コルニエツタヤもその約2週間後の11月19日に営業を終了し、その歴史に幕を閉じました。

閉鎖時に入居していた26店舗のうち、営業継続を希望した13店舗と新規出店希望の1店舗は、福島商工会議所などが中心となり、新たな移転先が用意されました。これらの店舗は、かつて長崎屋福島店があった場所に開設された「ファッションプラザ・レッツ」（ニュー福ビル内）へ同年12月19日に移転し、営業を継続しました。

コルニエツタヤの建物は、閉鎖から半年後の2003年（平成15年）5月より解体工事が始まりました。跡地には、福島市内の建設会社によって2004年（平成16年）4月に、5年間の期間限定として2階建ての暫定テナントビル「アクティ21」が建設されました。その後、アクティ21も解体され、現在は2021年（令和3年）4月に開学した福島県立医科大学保健科学部が立地しています。こうして、かつて賑わいを見せた駅前のファッションビルは、学びの場へと姿を変えました。

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