コルメイユ＝ザン＝パリジ

コルメイユ＝ザン＝パリジ：歴史と自然が調和するパリ近郊のコミューン

コルメイユ＝ザン＝パリジ（Cormeilles-en-Parisis）は、フランスのイル＝ド＝フランス地域圏、ヴァル＝ドワーズ県に位置するコミューンです。パリにほど近い場所にありながら、豊かな自然に恵まれた、魅力あふれる街です。

由来

コルメイユの地名は、ナナカマド属の木である「cormier」に由来すると考えられています。また、「Parisis」は、古代ガリアのパリシイ族にちなんでいます。

歴史

古代から中世

コルメイユにおける最古の人の定住は、紀元前4000年頃に遡ります。ローマ時代にはヴィッラが建設され、3世紀頃の遺跡が発見されています。697年には、メロヴィング朝の王キルデベルト4世が、アルジャントゥイユの修道女たちに王家の森を寄進した記録の中に、コルメイユの名前が登場します。832年には、サン＝ドニ修道院の憲章にもその名が見られます。フランス革命までは、コルメイユはサン＝ドニ修道院を領主とする街でした。

ワイン生産地としての繁栄

中世のコルメイユは、ワイン生産地として知られていました。そのブドウ畑は品質が高く、王への贈り物にも用いられたほどです。1789年の三部会では、コルメイユのブドウ農家が、農産物がパリの門を通過する際の課税を免除するよう主張しました。当時、コルメイユと隣接するラ・フレットを合わせて、538ヘクタールものブドウ畑が存在していました。

近代

19世紀に入ると、パリの食糧不足を背景に、ブドウ栽培は穀物や野菜の生産へと転換されていきました。また、同時期に石膏の採掘が開始されました。1870年の普仏戦争中には、プロイセン軍によってパリでのワイン販売が一時停止され、ビールが普及しました。しかし、パリ市民は週末になるとコルメイユなどの郊外へ足を運び、ワインを楽しんだと言われています。19世紀後半には、フランス全土のブドウ農家がフィロキセラによって壊滅的な被害を受けましたが、コルメイユは比較的被害が少なかったようです。

要塞の建設と鉄道の開通

1874年から1877年にかけて、パリ最大の軍事要塞の一つであるコルメイユ要塞が築かれました。この要塞は、映画の舞台にもなっています。1892年には鉄道が開通し、パリからのアクセスが向上しました。これを機に、コルメイユはパリのベッドタウンとして発展し、ブルジョワ層が別荘を構えるようになりました。

多様な移民の流入

鉄道開通後の19世紀末から20世紀初頭にかけて、コルメイユは急速に発展しました。多くの中産階級がパリに近いコルメイユへ移住し、折衷主義やアール・ヌーヴォーの様式を取り入れた別荘を建設しました。1930年代には、外国人労働者やフランス各地からの人々が移住し、多様な文化が混ざり合う街となりました。

人口統計

コルメイユ＝ザン＝パリジは、多様な背景を持つ人々が暮らす、活気ある街です。

ゆかりのある人物

ルイ・ジャック・マンデ・ダゲール（写真家）
ボリス・ディアウ（バスケットボール選手）
ロベール・ユー（政治家）
イリナ・ユスポヴァ（ロシアの皇族）- コルメイユで死去

コルメイユ＝ザン＝パリジは、豊かな歴史と自然、そして多様な文化が調和した、魅力的な街です。パリを訪れる際には、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

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