コルリ

コルリ（瑠璃鳥）

コルリ（学名: Larvivora cyane）は、スズメ目ヒタキ科に分類される渡り鳥の一種です。その名の通り、オスは美しい瑠璃色（暗青色）の羽毛を持つことで知られています。

分布

コルリは、アジア北東部から東南アジアにかけて広範囲に分布しています。

繁殖地: 夏季には、中国北東部、朝鮮半島、ロシア南東部、そして日本（北海道、本州中部以北）で繁殖します。
越冬地: 冬季になると、中国南部や東南アジア（インドネシア、タイ、マレーシアなど）へ南下して越冬します。

日本では、夏鳥として親しまれており、繁殖期には涼しい山地でその姿を見ることができます。

形態

全長: 約14cm
オス: 成鳥のオスは、体の上面が鮮やかな暗青色、下面が白い羽毛で覆われています。体側面は青みを帯び、眼先から胸にかけて黒い筋模様が入ります。この美しい色彩が名前の由来となっています。
メス: メスは、上面と胸部が緑褐色、腹部が白い羽毛で覆われています。肩羽や腰、尾羽に青みがかる個体もいます。

分類

コルリは、近年までツグミ科に分類されていましたが、現在ではヒタキ科のLarvivora属に分類されています。この属には、アカヒゲやコマドリ、シマゴマなどが含まれます。

亜種として、以下のものが知られています。

Larvivora cyane cyane (Pallas, 1776): 中国北東部、シベリア東部、朝鮮半島に分布
Larvivora cyane bochaiensis Shulpin, 1928: モンゴル北部、シベリア中南部に分布
Larvivora cyane nechaevi (Red'kin, 2006): 日本、サハリン、千島列島南部に分布

生態

コルリは、低山地から亜高山帯にかけての、下草の生い茂った落葉広葉樹林や混交林に生息します。

生活: 単独で生活することが多く、群れは形成しません。
食性: 動物食で、主に昆虫類を捕食します。地表で獲物を探すことが多いです。
* 繁殖: 繁殖期には縄張りを形成し、倒木の下などに枯葉や根を使ってお椀状の巣を作ります。5月から7月にかけて、1回に4-6個の卵を産みます。抱卵はメスのみが行います。また、ジュウイチに托卵されることがあります。

人との関わり

コルリはその美しい姿と鳴き声で、古くから人々に親しまれてきました。夏に山地を訪れる際には、ぜひ探してみてください。

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