コレン・ナンダー

コレン・ナンダー

『∀ガンダム』に登場するムーンレィスの古参兵士、コレン・ナンダー。ディアナ・カウンターに所属し、階級は軍曹。声優は川津泰彦が担当。

人物

コレン・ナンダーは、ディアナ・ソレルへの忠誠心が非常に強い人物です。しかし、その性格は乱暴で予測不能な面があり、周囲からは危険視されていました。彼は「（彼と同時に送られた補給物の）火薬の総量より危険な奴」と評されるほどでした。

特に「ガンダム」に対する異常なまでの敵意は特筆すべき点です。彼はガンダムを執拗につけ狙い、目的のためにはいかなる犠牲も厭いません。一部書籍では、冷凍睡眠中にガンダムへの敵意を刷り込まれたという設定も存在します。

物語の中盤以降、彼は村で出会った子供たちに優しく接したり、最終決戦でソシエとメシェーが危険な最前線へ向かうのを防ぐなど、意外な優しさを見せる場面もあります。

顔にある痣は、過去に受けた冷凍刑によるものです。また、かつては長髪でしたが、冷凍刑によって髪が抜け落ち、現在の髪型になったという設定があります。母親の顔は覚えているものの、父親の記憶はありません。僧侶のような生活を送っていた時期には、母親をモデルにした木像を彫っていました。

MS（モビルスーツ）の操縦技術は非常に高く、水陸両用MSであるカプルを操り、スエッソンが操縦するマヒローと互角以上に渡り合ったり、メリーベルのバンディットをミンチドリルの一撃で撃墜するなどの戦果を挙げています。主な搭乗機はイーゲルと、赤い塗装が施され頭部に角が付いたカプルです。後者のカプルは、右腕に巨大なロケットパンチを装備しています。格闘戦を好む彼は、採掘用MSドリルである「ミンチドリル」を愛用し、それは∀ガンダムなど他の機体でも運用されました。

劇中での活躍

ディアナ・ソレルの暗殺を企てた兵士を殺害した罪で冷凍刑に処されていたコレンですが、アグリッパ・メンテナーの策略によって刑を解かれ、ブルーノとヤコップという2人の部下と共に地球へ送り込まれます。地球に到着後、∀ガンダムをおびき出すために暴走し、発掘されたばかりのカプルを多数破壊したり、ノックスの街を崩壊させるなどの事件を引き起こしますが、∀ガンダムとの地下での戦闘に敗れ、愛機イーゲルを失います。

イーゲルがマグマに沈んだ後は、僧侶のような姿で放浪生活を送ります。この間、以前とは打って変わって純朴な一面を見せますが、立ち寄った村の祭りで∀ガンダムのハリボテを見て「ガンダムに襲われる」と錯乱し、騒動を起こします。∀ガンダムのハリボテの首を斬り落とした後、再び姿を消します。

その後、地球で∀ガンダムの月光蝶を目撃したことで、黒歴史時代の記憶を取り戻し、ディアナ側に合流します。最終決戦では、互いに月光蝶システムを発動させて硬直・暴走状態に陥った∀ガンダムとターンXの間に割って入り、金縛りを解きますが、ターンXが放出した月光蝶の刃を浴びて搭乗機カプルは爆散し、戦死しました。

漫画版での描写

ときた洸一の漫画版では、ギム・ギンガナムらとの決戦時に『新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』に登場するガンダムアスクレプオスのMA形態（この作品ではガンダムに変形はしない）に搭乗しています。また、アニメ版とは異なり、戦死していません。

曽我篤士の漫画版では、イーゲルに搭乗してノックスの街で∀ガンダムと戦います。∀ガンダムの頭部を損傷させるなどしてロランを追い詰めますが、戦闘を止めようとしたディアナに威嚇とはいえ銃で狙撃されます。その精神的なショックからディアナの名を叫びながら搭乗していたイーゲルを自爆させ、機体と運命を共にします。

評価

『愛と戦いのロボット 完全保存版』で発表されたアンケート「みんなで選ぶロボットアニメーションベスト100」では、「一番美しい悪役・敵役は？」で第76位にランクインしています。

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