コロニア・デル・サクラメント包囲戦

コロニア・デル・サクラメント包囲戦：スペイン継承戦争下の攻防

1704年、スペイン継承戦争の渦中において、南米大陸の要衝であるコロニア・デル・サクラメントを巡る包囲戦が勃発しました。この戦いは、スペインとポルトガルの海上帝国が激突した、植民地支配を揺るがす重要な出来事でした。

包囲に至る背景

コロニア・デル・サクラメントは、当時ポルトガル海上帝国の領土であり、南米におけるポルトガルの拠点の一つでした。一方、スペインは、ブエノスアイレスを拠点に南米大陸における勢力拡大を狙っており、コロニア・デル・サクラメントはその戦略的な重要性から、スペインにとっての喉元に突き刺さった棘のような存在でした。

スペイン軍の包囲

ブエノスアイレス総督アロンソ・フアン・デ・バルデス・イ・インクランとバルタサール・ガルシア・ロスは、スペイン軍650名と現地軍4000名を率いて、1704年末にコロニア・デル・サクラメントの包囲を開始しました。スペイン軍は圧倒的な兵力でコロニア・デル・サクラメントを包囲し、ポルトガル軍に圧力をかけました。

攻防の激化とポルトガルの放棄

包囲戦は数ヶ月に及び、1705年2月にはスペイン軍による強襲が試みられました。しかし、ポルトガル軍の抵抗により、この強襲は失敗に終わります。しかし、その1週間後、ポルトガルはコロニア・デル・サクラメントを放棄することを決定しました。理由は定かではありませんが、スペイン軍の圧倒的な兵力や、本国からの支援が期待できない状況などが考慮されたと考えられます。

包囲戦の意義

コロニア・デル・サクラメント包囲戦は、スペイン継承戦争の一環として行われたものであり、南米大陸におけるスペインとポルトガルの勢力争いを象徴する出来事でした。この包囲戦の結果、コロニア・デル・サクラメントは一時的にスペインの支配下に入りましたが、その後も両国の間で領有権が争われ、幾度となく支配者が変わるという歴史をたどることになります。

参考文献

* López, Adalberto (2005). The colonial history of Paraguay: the revolt of the Comuneros, 1721-1735. Transaction Publishers. p. 75. ISBN 978-0-7658-0745-8

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