コングの復讐

『コングの復讐』（英語：Son of Kong）は、1933年に公開されたアメリカ映画であり、同年公開された大ヒット作『キング・コング』の続編です。

あらすじ

前作から1ヶ月後、キングコングをニューヨークへ連れてきたデナムは、損害賠償を求める市民からの訴えに苦しんでいました。生活に困窮する中、同じく船を差し押さえられた船長エングルホーンから、東南アジアでの交易を持ちかけられます。

しかし、思うような成果を上げられず酒場で途方に暮れていた二人は、以前髑髏島の地図を譲ってくれたヘルストロームと再会します。ヘルストロームから「髑髏島には原住民の宝が眠っている」という情報を得たデナムとエングルホーンは、一攫千金を狙い再び髑髏島へ向かうことを決意します。

航海の途中、デナムはサーカスで出会ったヒルダという女性が密航していることを知ります。ヒルダの父親は出港前日にヘルストロームと口論の末に殺害されており、彼女は復讐のために同行していたのでした。複雑な事情を抱えながらも、デナムたちは髑髏島を目指します。

髑髏島に到着したデナムは上陸を試みますが、ヘルストロームにそそのかされた船員たちの反乱に遭い、ヒルダ、船長、料理番のチャーリーと共にボートで島へ向かうことになります。一方、引き返そうとしたヘルストロームも船員に見捨てられ、デナムたちと合流せざるを得なくなります。

島に上陸したものの、コングを連れ出した一件から島民の協力は得られず、孤立無援の状態に陥ります。そんな中、ヒルダと行動を共にしていたデナムは、キングコングの息子に出会います。沼にはまっていたコングの息子を助けたデナムは、直後に大熊に襲われますが、コングの息子に助けられます。デナムはコングの息子と心を通わせるのでした。

翌日、デナムはコングの息子の協力を得て、ついに原住民の宝を発見します。しかし、そこに恐竜が現れ襲いかかりますが、コングの息子が撃退します。船長たちと合流したデナムでしたが、突如大地震が発生し、髑髏島は沈み始めてしまいます。ヘルストロームはデナムたちを見捨てて逃げようとしますが、海竜に襲われ命を落とします。

Hヒルダ、船長、チャーリーの3人はボートで脱出に成功しますが、宝を持ち出そうとしたデナムは島に取り残されてしまいます。コングの息子はデナムを助けるため、彼を島の頂上まで運び、脱出を助けようとします。そして、3人が乗ったボートにデナムを託すと、コングの息子は沈みゆく島と運命を共にします。

漂流した4人は数日後に救助され、船上でデナムとヒルダは結婚を誓い合うのでした。

キャスト

カール・デナム：ロバート・アームストロング（川久保潔）
ヒルダ・ピーターソン：ヘレン・マック（林洋子）
エングルホーン船長：フランク・ライヒャー（梶哲也）
ニルス・ヘルストローム：ジョン・マースト（納谷悟朗）
チャーリー：ヴィクター・ウォン
原住民のチーフ：ノーブル・ジョンソン
ヒルダの父：クラレンス・ウィルソン

制作

本作は、前作『キングコング』の大ヒットを受けて制作が決定されましたが、脚本を担当したルース・ローズは乗り気でなく、脚本に力を入れなかったと言われています。

当初の脚本では、髑髏島沈没前に原住民との闘争が盛り込まれていましたが、予算と撮影スケジュールの都合で没となりました。一方、デナム役のロバート・アームストロングは「デナムのキャラクターを広げることができた」と本作を好意的に捉えていました。

本作に登場するリトルコングは、制作段階では「キコ」と呼ばれていましたが、本編ではこの通称は使用されていません。アップのシーンで登場するリトルコングの腕は、前作で使用されたキングコングの腕を再利用したものです。この腕は現在、映画史家のボブ・バーンズが所有しています。

特殊効果は前作に引き続きウィリス・オブライエンが担当しましたが、終盤ではほとんどの作業を弟子に任せていたそうです。前作で使用したスティラコサウルスの模型を再利用してストップモーション・アニメーションの撮影が行われましたが、前作よりも規模は縮小されています。その後、スティラコサウルスの模型はリメイク版『キング・コング』の監督ピーター・ジャクソンが所有しています。また、前作に登場したアパトサウルスの模型も、髑髏島が沈没するシーンで使用されています。

評価

本作の最終的な利益は13万3,000ドルに留まりました。ニューヨーク・タイムズは「いくつかの笑いを含む程度の低いメロドラマ」と酷評しつつも、「プロデューサーによるコメディのビジョンには議論の余地がある」と評しました。バラエティは「フェアなエンターテインメント」と評価しましたが、Rotten Tomatoesでは支持率40%と低評価となっています。

外部リンク

コングの復讐 - IMDb（英語）
* コングの復讐 - オールムービー（英語）

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