コンスタンチン・サモヒン

コンスタンチン・ミハイロヴィチ・サモヒン：ソビエト戦車エースの軌跡

コンスタンチン・ミハイロヴィチ・サモヒン（1915年3月14日 - 1942年2月22日）は、ソビエト連邦の著名な軍人であり、戦車エースとして知られています。彼の最終階級は親衛大尉であり、第二次世界大戦中に敵軍の戦車や自走砲を30両以上撃破した実績があります。

生い立ちと教育

サモヒンはロシア帝国のドン軍管州（現在のヴォルゴグラード州）に生まれ、キエフ戦車学校を卒業した後、1928年にコムソモールに入団。1933年にはソビエト連邦共産党に入党します。太平洋戦争勃発前には赤軍に入隊し、冬戦争に従軍しましたが、この際に重傷を負い、戦功記章を受けることとなります。

第二次世界大戦での戦歴

独ソ戦が始まると、サモヒンはウクライナ・ソビエト社会主義共和国のイヴァーノ＝フランキーウシクにてドイツ軍と交戦しました。彼は第15戦車師団に所属し、BT-7戦車の車長として活躍しました。この時期、ソビエトのトップ戦車エース、ドミトリー・ラヴリネンコと共に戦ったことでも知られています。

1941年の9月から10月には第4戦車旅団の中隊長を務め、ムツェンスクとモスクワの戦いで多くの戦果を挙げました。その成果により、10月には第2戦車大隊の大隊長に昇格し、部隊の名称が第1親衛戦車旅団に改称されるに至ります。

スキルマノヴォの戦い

1941年11月13日のスキルマノヴォにおける戦いでは、サモヒンがT-34/76に搭乗し、戦車や対戦車砲、機関銃陣地など合計10か所を撃破する驚異的な戦果を上げました。この激しい戦闘は20時間以上に及び、彼の乗員は弾薬補給を5回行う必要がありました。結果として、サモヒンはレーニン勲章を受章します。

反攻と奮闘

1941年12月には、彼が所属する部隊がドイツ軍に対する反攻作戦を展開しました。この際、サモヒンは自らのT-34部隊を率いて、敵の戦車やオートバイを次々と撃破し、その奮闘がドイツ軍の混乱を招くこととなりました。これにより、彼の部隊は無傷で任務を完遂します。

不遇な最期

サモヒンは1942年の2月22日、親衛大尉に昇進したその日の夜にスモレンスク付近で戦死しました。この日の夜、彼はドイツ軍による村の奪還のため、同僚と共に戦いに赴きましたが、激しい攻撃を受けて彼の乗る戦車が被弾、火災が発生しました。彼は辛うじて脱出しましたが、重度の火傷を負い、その後すぐに命を落としました。

戦績と評価

サモヒンの戦績は、公式には30両の戦車や自走砲を撃破したとされていますが、他の資料によればその数は79両に上るとも言われています。また、彼は数々の勲章を受章しましたが、ソ連邦英雄の称号は授与されませんでした。この点については、戦後の評価が十分でなかったことが一因とされています。彼の功績は今も語り継がれ、多くの戦史において重要な存在となっています。

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